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アギトアリ Odontomachus monticola

投稿:ありお手  
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こんにちは。


ありお手です。


今回紹介するアリは、私が3年の歳月を費やして導きだした飼育環境です。


この方法で現在サイクルが回っているので、石膏飼育に比べて安定感がある印象です。


まずアギトアリですが、ほんと不思議なアリでまるで虎ばさみのような大顎を180度展開して、内側にある感覚毛に獲物が触れると瞬時に大顎を閉じ、挟んで捕らえます。


生息地は主に暖かい地域に多く、九州や屋久島、種子島、中国、東南アジアなどに分布しています。また、人為的に持ち込まれたかは定かではないですが数ヶ所、本来の生息地とは離れた場所でも定着が確認されています。


まだ謎多きアリといった印象を受ける種類で、スーパーコロニーを形成するという話もありますね。


飼育もかなり難しいと言われ、特に食卵が多いことでも有名ですね。


私の印象では卵だけでなく全てのステージ(卵、幼虫、繭)で食べられる可能性があります。


飼育下での注意する点は主に4つあると思います。


1.飼育ケース 

ケースは大きな物を用意し、その中に巣として使ってもらう部分(加湿部エリア)と運動スペース及び乾燥エリアを設けることが重要となります。


運動スペース及び乾燥エリアを作るのには理由があり、このアギトアリはトゲアリと同じで、ゴミをなるべく遠くへ捨てたいみたいでゴミを咥えたままずっと歩き回っている個体をよくみます。


自然界での観察でも、獲物ではない明らかにゴミでしょというものを咥えて、道を歩く姿が見られます。


このことからも、なるべく巣として使ってもらう部分とは別に、アリが歩いて遠くにゴミを捨てられる環境を作ってあげることが必要になります。


アギトアリは片付けられないアリとよく言われますが、そうではありません。


私たちがゴミを捨てたくても捨てられなくしているのです。


この環境を作ってあげると、ちゃんと巣から最も離れた位置にゴミ捨て場を作ってくれるので、捨てられたら即回収ができ、ダニ発生を抑えることができます。


2.最初の規模

これはどういうことかと言いますと、新女王単独で飼育を始めるのか、ワーカーを同居させて行うのかということです。


ハリアリの仲間は、基本的に他巣のワーカーであっても受け入れることが多く、アギトアリも例外ではありません。


アギトアリの場合、私は単独よりもワーカー同居のほうが圧倒的に安定する率が高いと思っています。


単独でもコロニー化はできますが、子育てが苦手な女王が多い印象です。


また、導入するワーカーの数も重要で、出来る限り多く入れることをお勧めします。


数が多いほど安定力が増すのと、次に紹介する餌の問題解消にも繋がります。


※ここで私の経験に基づく見解を一つお伝えします。


それは、採集する新女王の時期に関することですが、アギトアリの結婚飛行は9月~11月前半までと長くダラダラと飛ぶ感じです。


この時、どこの時期に捕獲するかでワーカーに受け入れられる率が大きく変わることが分かりました。


何度もやってみて9月~10月半ばまでに捕獲された新女王はほぼ100%受け入れられ、10月半ば~11月前半に捕獲されたものは、時間がかかるか即殺されます。


おそらく、この遅い時期に飛んだ女王は云わば落ちこぼれ、強い遺伝子と判断されず淘汰されているのではと思っています。


女王を捕獲するなら断然早い時期がいいですね。


3.餌の問題

アギトアリは餌の飽きが早く、同じ餌をずっとあげていると食べなくなって死んでしまうとよく言われます。


ですが、これもワーカー導入数を多くすることで解消できる気がします。


数が多いほど餌を選ばない印象です。


ちなみに私のコロニーでは、ワーカー数は現在100匹行くかどうかですが、飼育当初(ワーカー導入数は80匹ほど)からずっとレッドローチのみで飽きは一度もありません。


ワーカー数がもしかするとキーになってるかもしれませんね。


4.巣の材料

アリの巣というと石膏飼育が主流ですが、アギトアリでは土飼育が最も適してると感じます。


土の種類は赤土(赤玉土)が良く、粘土質を好みます。


ケースの巣を作らせたい場所に、厚さ5㎝以上で山状にしてあげると掘って巣を作ってくれます。


壁際に作らせると、中の様子も観察できていいですよ。


巣を頻繁に動かす、巣内のゴミ掃除を人間がするなどの刺激が高い行為を続けると食卵等をしてしまうので、土では一度入れたら触れなくなることがかえってストレスをなくしいいのかもしれません。


私は山の中に木の皮を挟んでいて、これにより崩落の危険性をなくしています。


そして、結構アギトアリは卵から成虫になるまでの期間が長く、孵化する日数や羽化までの日数などにもばらつきが目立ちますのであまり参考にはならない気もしますが、一応私のコロニーでのデータをお伝えします。


卵~孵化までおよそ5ヶ月

幼虫~繭張りまでおよそ2ヶ月

繭~羽化までおよそ2週間です。


ただ、孵化日に関しては軌道に乗り始めた頃から、大体30日前後で孵化してきています。


加水は霧吹きで行い、巣として利用されている箇所のみに処理します。


運動スペース及び乾燥エリアは文字通り乾燥させておきます。


あとは通気性を持たせるためにケースの蓋にメッシュで窓を作っていますが、最近では蓋なしで飼育しています。


その分巣が乾燥するので霧吹きは毎日行います。


こんな感じでしょうか。


結構な方々が飼育に挑戦されていて、最近ではちらほらワーカー生まれました❗という嬉しいお知らせを見ることもあり、今後は段々と飼育方法も確率されてくるのではないかと思っています。


長々とすいませんでした。


私が一番力を注いできたアリなので、ついつい力が入ってしまいました。


現在のコロニー規模(2022年2月時点)

女王3匹(通常は淘汰されて1匹になると言われますが、家ではなぜか仲良くしています。)

ワーカー:200辺り

卵:20個ほど(現在、本来越冬時期にあたるため、少なめ)

幼虫:15匹ほど

繭:0個(現在、ほぼ活動時期から外れているためありません)


皆さんも難しいですが、非常に魅力的なアリなので、是非一度飼育に挑戦されてみてはいかがでしょうか。


ではまた~。

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