イガウロコアリ
卒業研究でアリの生態について研究していました。その際に扱ったアリであるイガウロコアリについて今回は紹介します。
イガウロコアリはウロコアリに近縁であるアゴウロコアリ属のアリで、アゴウロコアリ属は概してまれなアリであるためなかなか採集が難しいです。ウロコアリとはよく似ていますが、顎の長さや形状が異なるため、慣れてくると肉眼での区別も出来るようになります。
採集した際、土中の枝の樹皮裏で発見したため、探している方は是非参考にしてみてください。
・飼育環境
以前紹介したクビレハリアリと同じく石膏ケースにスライドガラスをはめ、その下にくぼみを掘ったものを用います。
・給餌
ウロコアリはトビムシを主に食べていますが、イガウロコアリに関しては基本的に小型の昆虫であればなんでも食べます。
・脱走
壁は登りますが、動きがゆっくりなため、筆で対応できます。
・採餌方法
この採餌方法ついてが卒業研究で特に力を入れて調べた項目です。ウロコアリは180度近く開いた顎を勢いよく閉じることでトビムシを捉えます。しかし、イガウロコアリは顎が短い上にそれほど開きません。ではどのように採餌を行っているのか。
ひたすら観察しているとどうやらイガウロコアリは獲物を待ち伏せて捕らえているようでした。獲物が近くに来るとイガウロコアリは伏せるような体勢で顎を開いたまま動かなくなります。獲物が近づいたり頭を踏むと一気に噛み付いて毒針で仕留めます。この採餌方法は何故かトビムシ限定で見られるためやはりウロコアリ系のアリはトビムシに対して採餌方法が特殊化していると考えられます。
イガウロコアリを飼っている方は是非観察してみて下さい。
コメント
まだありません。
ログインしてコメントを書く