クビレハリアリ
・飼育環境
クビレハリアリの飼育環境は(写真1枚目)石膏ケースにスライドガラスを埋め込み、その下を彫刻刀で適当な大きさにくり抜いたものを用いています。また、スライドガラスの上には遮光のため赤いシート(暗記などに使うもの)を被せます。
・引越し
クビレハリアリは決まった巣を持たず頻繁に移動(引越し)を行うようです。飼育下では餌さえ与えていればそれほど頻繁に移動させる必要もないようですが、クビレハリアリは巣の中をかなり汚すため、結局うちでは1.2ヶ月程で引越しをさせます。
引越しの方法は、上記の石膏ケースを繋げておくだけで勝手に引越しをしてくれます(写真2枚目)。なかなか引っ越さない場合はスライドガラスを外すことで強制的に引越しをさせることも可能です(壁は登るので開けっ放しにはしない方がいいです)。どちらの場合も、引越しをさせたい時期より前に引越し先のケースを繋げておくと、アリが新しい巣の方に様子を見にやってきて引越しがスムーズに行われます(強制的に引越しをさせる場合、引越し先の巣にアアリの往来がある事を確認してから行って下さい。
※引越し当日やまだアリが往来していない状態だとアリの列が円になってグルグルしてしまいます。そうなったら筆で地道に移動させてあげて下さい)。
クビレハリアリは綺麗に列を作って移動するため引越しの様子も見ていて面白いです。
・給餌
次に給餌についてです。クビレハリアリは幼虫がいる時期は1日にかなり大量の餌を食べるので給餌は毎日行うといいでしょう。その分成長も速くなります。うちでは400匹程のコロニーに7〜8mmのレッドローチをしめる、または軽くしめてから5〜10匹程与えます(ヨーロッパイエコオロギの場合は後ろ足を取るか潰しています)。幼虫の成長に合わせて数を増やしていきますが、よく食べる時期では10匹入れても1日で綺麗に食べてしまいます。また、アリの幼虫もたまに与えましたが、一回も与えなくても幼虫から成虫にしっかり育ったことから必ずしも与える必要はないのかもしれません。現在、アメイロアリ、シワヒメアリの卵、幼虫、蛹を与えたところ食べることが確認でき、冷凍したものでも問題なく食べました(他のアリも試してみます)。
狩りの様子はすごく面白く、見ていると時間を忘れてしまいます。また、目が無いためか動きにとても敏感で、弱らせた餌が動くと一気に大量のワーカーが襲いかかります。その様子はまさにテレビなどでよく観るグンタイアリそのものです。
蜜餌に関しては試していませんが、レッドローチにプロゼリーを食べさせた次の日にあげたりしているので一応レッドローチ経由で食べさせている?形です。
・脱走について
脱走に関しては活動期はとにかく外勤が多いので蓋の開け閉めが大変です。自分は筆で頑張って落としていますが、連結用のチューブを繋ぐことでそこに餌を入れたり引越し先のケースに餌を入れることで対策はできます。世話で蓋を開ける時意外では脱走しようとしたりはしないので石膏ケースで十分飼育できます。
・雄アリ誕生
飼育を初めて半年ほど経ちましたが、つい先日雄アリが1匹だけ誕生しているのを発見しました。クビレハリアリは単為生殖のため雄との交尾も必要なく、雄アリが生まれることはまずありません。しかし、ごく稀に雄アリが誕生することもあり、今回そんな幸運に恵まれました。例えるなら三毛猫の雄が生まれるような確率です。
同じく単為生殖のアミメアリでも雄アリの報告はありましたが、クビレハリアリの雄アリについては国内では聞いたことがないため、かなり貴重なものが見れました(3枚目)。
クビレハリアリについて調べてみると色々な情報が出てきますが、このアリは数が増えるほど生存率や繁殖レベルが上がり、それぞれの活動に対する専門性も高まるそうです。話によると採餌に成功したアリは次からも採餌を行い、採餌に失敗したアリは幼虫の世話をするというように自分の得意不得意で仕事への専門性を高めるそうです。
コメント
安斗愛さん: 2021-04-21 19:19:07
レッドローチ7匹😳😳
めちゃくちゃ食べますね!?!?
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ioriさん: 2021-04-21 19:28:51
はい!めちゃくちゃ食べます😂
レッドローチとヨーロッパイエコオロギを半々にすることもあります。
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安斗愛さん: 2021-04-21 19:44:06
小さいのに大食いなんですね〜
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ioriさん: 2021-04-21 19:53:06
幼虫がいない時期は1匹食べるか食べないかくらいなので差がすごいです😂
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