こちらのコミュニティーは蟻の飼育方法や同定の情報共有、画像蓄積を目的としております。

パラポネラ

投稿:蝶山泊  
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和名:サシハリアリ

学名:Paraponera clavata


体長

女王 25mm程

ワーカー 20-25mm程


温度 25-30℃とされているが、23〜28℃が調子良い気がします。

湿度 50-70%とされています。


南米産のハリアリでとても巨大なアリです。「パラポネラ」、「弾丸アリ」や「24時間アリ」と呼ばれ、ブラジルではトゥカンディラとも呼ばれています。

強烈な毒針を持っており、刺されるととてつもない激痛ですので、飼育には極めて注意と覚悟が必要です。刺された際の症状はリンク先に記載しております。

パラポネラに手を刺されました [Stung by a bullet ant] パラポネラ飼育日記 その39【Paraponera clavata Vlog】


国内での飼育情報が少ないため、参考になればと思い、記載させていただきました。


【ケージ】

大型種なので、比較的大きなスペースを必要とします。

飼育ケースは縦置きの石膏巣(蟻マシーン3号:antroom)にて飼育しています。

(初期コロニーの時は平置き石膏巣の周囲に大きな飼育ケースを囲んで飼育しておりました)


餌場にはヤシガラ由来の細かいマット(ジャングルマット:チャーム)を敷き詰めています。マットは幼虫が蛹になるための基材として必要です。ハスクチップのような塊は不適でした。比較的細かい粒径のマットの方が繭作成時の成功率が高いように感じます。

餌場壁面にベビーパウダーを塗ることで登ることを防止できます。


【餌】

メインの餌は肉食でSサイズのコオロギを与えています。大きな肉餌は食べ残しします。蜜系の餌もよく好むので、両方同時に与えておりました。昆虫ゼリー(プロゼリー)も食べますが、散らかします。

頻度目安としましては1回 / 2日です。

肉餌の量が少ないと繭破りや共食いが起きますが、多いと食べ残しによって餌場が汚染されます。下記に各餌の実績を記載しております


肉餌

・ヨーロッパイエコオロギ

・レッドローチ(トルキスタンゴキブリ)

・シルクワーム(カイコガの幼虫)

・シロアリ

・デュビア(アルゼンチンゴキブリ)

・ミルワーム

・昆虫の死骸


所感:小型の昆虫、筋繊維が多い昆虫(翅を持つ)が好まれます。新鮮なものであれば死骸も食べますが、生き餌の方が圧倒的に嗜好性が高いです。文献では死肉も食べる報告例がありますが、確認はできておりません。


蜜餌

・スイーツパウダー(あり巣 in underground)

・スイーツパウダーpro(あり巣 in underground)

・メープルシロップ

・はちみつ


所感:はちみつよりメープルシロップが好まれます。水で希釈した方(1:4〜1:10)がよく飲みます。


【温湿度】

現状の飼育温度は23〜28℃です。

20℃を下回ったことはありませんが、20℃程度はある程度大丈夫なようです。一方、30℃を超えると調子をくずしました。

冬場は20℃を下回らないようにパネルヒーターや暖突などで加温していました。

夏場は基本クーラーで冷却しています。


巣内の湿度に関しては高すぎない方が良さそうです。

餌場の湿度が高まると調子を崩しやすい気がします。食べ残しの腐敗の影響が大きそうです。


【注意事項】

前述にもある通り、刺された時の痛みはとても強烈なので、飼育時のメンテナンスには注意が必要です。

脱走にも気をつけなければなりません(大型種なのでその点は対処が容易ですが、絶対に脱走しないような管理が必要だと考えています)。

餌や温度管理のコストがかかるので、そこも注意が必要です。



以上、参考になれば幸いです。

注意点はありますが、とても魅力的な種です。

アリ飼育初心者の私でも飼育できていますし、比較的飼育しやすい種だと考えています。


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