吸血アリ
アリ販売店にて女王を購入。
ノコギリハリアリの仲間で、国内に生息しているものと見た目は似ている。細長く鋭い顎、くびれのない細長い腹部、ほとんど退化してしまってあるか分からない複眼が外見的特徴として挙げられる。特に眼は後述する生態や飼育方法にも関わってくる。動きは鈍く、カクカクとした挙動は見ていてかわいらしい。体長は女王で約10mm。ワーカーは約4.5〜8mm。
オーストラリア、ニューカレドニア、ニュージーランドに生息し、朽木や石の下の土中に営巣するらしい。2021/4/24執筆現在、試験管飼育をしているが加湿した綿にぴったり張り付くようにいることが多いことや卵を同箇所に置いていることから高湿度環境を好むと思われる。自然界での土中営巣という情報からも、試験管もしくは加湿石膏巣での飼育が適していると推測できる。また、自然界では地上にはほとんど現れず大半を地下で過ごす生態らしく、眼が退化しているのもそういった生態が関係しているようだ。視力は弱いが明暗程度は感知できるらしく、暗がりを好むことが知られている。しかし他のアリと比較して特に光を忌避する種かはまだハッキリしておらず、遮光が必須かは不明。筆者の飼育下では、屋内であれば薄暗い程度でも抵抗なく採餌に来る様子が確認できた。光への順応性については今後も検証が必要である。
2021/8/23追記:現在は試験管を真っ黒な目の詰まったスポンジのようなもので包んでいる(販売店がつけてくれていたもの)。検証したところ遮光しているのとしていないのとでは調子が全く違う。薄暗いだけのところに置いておくと徐々に幼虫が減っていったがしっかり遮光を意識しただけで丸々とした大きな幼虫が増えていった。動きが遅いため実感しにくいが、光への忌避性はそれなりに強いと考えて良いだろう。
食性は肉食で蜜は飲まない。女王は単独時でも餌を必要とする。小昆虫の体液を啜るため、カットしたミルワームやコオロギの足などを与えると良い。飼育下で頭を潰しただけのミルワームを与えると、丁寧に鋏のような顎を用いて頭を切り取っているのが確認できた。硬い頭は捨てて胴体に幼虫共々頭を突っ込んで摂食する様は少し不気味さを覚えるが、そこもまた本種の魅力だろう。また、コロニーが大きくなるとワーカーは自分達の幼虫や蛹の体液を啜って生命を維持するようになる。その生態が流通名の由来にもなっているが、幼虫は変わらず肉餌を食べて育っていくため静観して問題ない。
2021/4/27追記
卵から初の幼虫が孵化した。丸い胴体に細長い首が印象的な姿をしている(画像3枚目)。卵は購入した時点で産んでいたため厳密な卵の期間は不明。このまま経過観察をして幼虫及び繭の期間を記録していきたい。
2021/8/23追記
なんと未だに前回追記の際に産まれた幼虫が繭にすらなっていない。餌は食べているし死んでいるわけでもない。何なら後発の幼虫も育って現在同じくらいの大きさの幼虫が3匹いるのだが……一向に繭を作る気配が見られず餌もよく食べている。現在は繭を作るための基材がいるのかと、ヤシガラの欠片を試験管に入れて観察を続けている。
まだまだ飼育下での情報も少なく筆者も手探り状態にある。今後も何か分かり次第本記事を加筆修正していく。
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コメント
ありんこ侍さん: 2021-04-24 21:02:58
カッコいいですね‼️
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かけこさん: 2021-04-24 21:13:24
ありがとうございます☺
今は卵がいくつかあるので早く孵化しないかなとわくわくしてます🤭
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安斗愛さん: 2021-04-28 20:40:28
孵化おめでとうございます!
これからも楽しみです(^_^)/
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安斗愛さんへ かけこさん: 2021-04-28 20:42:50
ありがとうございます!
この先ほんとにわくわくです!彼らの特徴的な生態を拝める日が待ち遠しいです!
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