SaaS型クラウドサービスとは

SaaSは、サースと読みます。比較的最近使われだした IT 業界の言葉で、正式には、「Software as a Service」となります。
日本語訳は「サービスとしてのソフトウェア」といったところです。

サービスとしてのソフトウェアと言われても、少なくとも私はピンきませんでした。IT 業界って定期的に新しい言葉を流行らせてマーケティングに使うので、「どうせ今までの何かを別の言葉にしたんだろ、ウザい」くらいに思っていました。今でも、その直感はだいたい当たっていると思いますが、考え方をわかりやすく表現するために必要な言葉であることも間違いはなさそうに思っています。

そもそも、ソフトウェアってどういうモノなのでしょうか。コンピューターが出だした頃のソフトウェアとは、物理的に取り付けられた大量のスイッチの設定だったかもしれません。パンチカードが使われている時は、見た目は穴の空いた紙きれの束でその穴を解釈するとソフトウェアになっている。音楽用のカセットテープに記録していた時期もありましたし、フロッピーディスクやCD-ROMの時代はレコードのような形をした円盤にソフトウェアを記録していました。

カセットテープやフロッピー、 CD-ROM が使われていた頃は、好みのソフトを買うという事は、カセットテープやディスクと説明書がはいった箱をお店で買う事でした。目に見えるモノがあるのでわかりやすい形です。でも、実際に購入しているのは、記録媒体の中に記録されている情報です。媒体やパッケージ、説明書の代金が価格に含まれているとはいえ、買ったのは目に見えない情報で、それをコンピューターに読み取らせると意味のある処理を実行してくれるわけです。

このような時代は、ソフトウェアはサービスだと言ってもきっとピンとこないでしょうね。しかし、IT を取り巻く状況は猛スピードで変化を遂げています。あっという間に、CD-ROM もあまり使われなくなりました。代わって登場したのがインターネット。CD-ROMなどの媒体が無くてもオンラインでソフトウェアを入手できます。もうパッケージや記録媒体、流通のための費用すらかかりません。

でも、ソフトウェアをダウンロードして、コンピューターにインストールして使っているだけではまだサービスをうけているという感覚にはならないですよね。目には見えませんが、何かしらの物をネット経由で入手してそれを使っているという感じです。

そして、インターネットの通信速度がどんどん向上したりといった変化も常に起こっていて、各自のコンピューターにソフトをインストールしなくても、ネットワーク上(クラウド)に置いているサーバー(処理を集中管理する親玉のようなコンピューター)で全部処理して、入力や結果だけを各自のコンピューターに任せれば楽じゃね?となってきました。もはやダウンロード操作もインストール操作も不要という事です。

ここまで進んでくると、「あ、こりゃ最早サービスだな。クラウドにあるコンピューターで処理をしてもらうっていうサービスだ。名前を付けちゃえ!」という感じ(だと思う)で、SaaSがめでたく誕生しました。

SaaSでは使う側は必要な時に必要なだけソフトウェアが利用できますし、提供する側はサーバーにソフトを置いておけばみんなに同じものが提供できるので、バージョンアップのたびにお客さんに再インストールしてもらわなくても済むなど、お互いにメリットがある仕組みとなっています。

これからも益々 IT は進化を遂げるでしょうから、ソフトウェアの提供方法も変わり、新しい呼び名が生まれてくると思います。しかし、「SaaS」、これはこれで悪いもんじゃないですね。