タイのゲストハウスで

  
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これは、私が15年前に経験した旅行先での出来事です…




私が友人のYちゃんと二人、バックパッカーの旅で訪れた、タイのチェンマイでの体験です。


当時は今ほど宿泊予約サイトがメジャーではなかったので、バックパッカー達の旅の手始めは、宿探しと決まっていました。


実は、私がチェンマイへ来たのは今回で2度目。

一度目は半年前のことで、その時に泊まったゲストハウスを拠点として夜市の場所や主要観光場所なんかが頭の中に入っていたし、

「前回一人でチェンマイへ来た時に宿泊した ‘Nゲストハウス’ は、立地もいいし割安だからそこにしよう!」

と、空港に到着する前の機内でYちゃんへ提案し、すんなり同意をもらっていました。


当時のNゲストハウスの料金は、エアコン付き・ダブルベッドの部屋で一泊1500円くらいでした。

部屋にはベッドの他に、テーブルセットとソファー、テレビと小さな冷蔵庫も完備されていて、二人分の荷物を置いても充分な広さでした。

壁の汚れや古臭さを気にしなければ、シャワーを浴びて寝るだけと思ったらかなりコスパが良いです。

Yちゃんも部屋の広さやバスルームをチェックした後、

「これで一人750円なら良いね!」と喜んでくれていました。


私達は早速いくつかの寺院へ観光に行った後に夜市で屋台飯を堪能、買い物を満喫して、一日の〆にと、ローカルなバーで現地人お勧めのアルコールを飲み、一日を終えました。


その夜、飛行機移動の疲れと、チェンマイ一日目を大満喫した私達は泥のように熟睡しました。


翌日の朝7時頃だったと思います。

私はお笑い芸人のステージを見に来ている夢を見ていて、その内容があまりにもオモシロ可笑しかったのです。


「ガハハハハハッ!!!」


大笑いする自分の声で、目が覚めました(笑い)


いくら仲良しのYちゃんでもオナラを聞かれたのと同じくらい恥ずかしい~!

どうしよう…。

同じベッドで寝ているYちゃんが目を覚ましていないか?と焦って確認しました。


すると、Yちゃんが私を見て微笑んでいるんです。

「あー!ごめん!起こしちゃったね~。私も自分の笑い声で起きちゃって…」

Yちゃんはさっきと同じ微笑みで私をみているだけ…。


え?怒ってる? あれ?


何かがおかしい!


私は ‘ナニか’ を確認するためにもう一度、Yちゃんの方を向へ直してしっかりと彼女をみました。

「Yちゃん?」



!!!違うじゃん!!!



私が話しかけていたのは、Yちゃんの後頭部に貼りついた男性の顔ではありませんか!

パニくる心を落ち着けよう、寝ぼけてるのかもしれないし。

男性の顔が視界に入らないように真上を仰ぎ、明るい部屋の天井を眺めているとさらなる恐怖が!

白い天井と壁はコンクリート製のはずなのにグニャグニャとゴムのように波打って、次第にいくつもの顔が浮かび上がってくるのです。

大きく口を開けて何かを話す口元、左右に首を振りながらうごめく人の顔がゴム状になった‘そこ’から今にも出てきそうな状態です。


目を閉じて深呼吸をして、Yちゃんであるはずの人の方をもう一度振り返りました。

先程から何も変化はなく、その男性の顔は私の目をしっかり見て微笑んでいます。


「Yちゃん!」「Yちゃん、起きて!お願い!」


たまらず、私は大きな声で続けてYちゃんを呼ぶと、本来Yちゃんの顔が付いているの顔を私へ向けて 「おはよー」 と言葉を発した瞬間、先程までの部屋とは全く違う空気になったのです。


今が変なのか?さっきまでが変だったのか?


すかさず部屋の天井や壁を見回し、昨晩電気を消す前の状態と同じコンクリート製の部屋であることを確認してホッとしました。


私は今朝の出来事をYちゃんに告げず、

「気になるゲストハウスがあるから、移動しよう!」

と提案して、宿泊先を変更しました。


チェックアウトしようと、荷造りをするYちゃんに水を買ってくると言って、私は下の階へ行き、ゲストハウスのスタッフへ今朝の出来事をつたない英語で話しました。

私の話を聞いている間の男性スタッフの顔は ‘何か知っている’ 様子でした。

彼は私の話が終わると重い口ぶりで、


「数年前に、このゲストハウスで20代の南米の男性がドラッグの過剰摂取で亡くなった。それ以降、数人の欧米人宿泊客が何らかの原因で亡くなっている…。」


間違いなく、私の目を見て微笑んでいたのは20代の南米男性でした。



Nゲストハウスでの体験は、15年経った今でも、はっきりと記憶に残っています。

朝日の差し込む明るい部屋で見た、Yちゃんの後頭部に貼り付く彼の顔を忘れることが出来ません…。


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