ボロボロの木造校舎の中学校

  
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私が中学生の頃の出来事です。

私は田舎の高台にあるボロボロの木造校舎の中学校に通っていました。

その中学校の土地はもともと戦国時代にはお城があったそうで、公民館で歴史を学ぶ高齢者の方たちが校庭と隣接した神社や塚などを見学に訪れることもよくありました。

そんな中学校の敷地には、合戦で亡くなった武士や城にとらわれていた者の亡霊が出るという噂が祖父母の代から伝わっていました。

先生でも夜まで残って仕事をしていると、真っ暗な校舎でふと亡霊の噂を思い出して怖くて嫌だという方もいました。


とはいえ私は学校で一人になるということはトイレ以外にはあまりなく、昼間の学校はとてもにぎやかなので亡霊を特別怖がったりはしていませんでした。

学校で亡霊など見ることもなく、私は中学三年生の初夏を迎えました。

私は体育委員会の委員長をしており、水泳の授業が始まるため体育委員会のみんなでプール掃除をすることになっていました。

集合時間よりかなり早めに鍵を開けておくよう委員会の先生から指示をされていた私は、授業が終わった午後3時過ぎに帰りの会を免除してもらって一人でプールへ向かいました。

その日は雲がたちこめて日中でも薄暗かったのを覚えています。

特に校舎の影になっているプールの入り口付近と更衣室の建物は暗く、空気まで重い雰囲気をまとっていました。

私はフェンスの扉を開いてすぐに、更衣室と並んでいる用具入れのドアもあけました。

湿気を含んだ嫌な臭いのする空気がどっと押し出てくるのを感じて、思わず外へとあとずさりしました。

その時、なんだか冷たい視線を感じました。

もう委員会のメンバーが来たのかと入り口の方を見ましたが、誰もいません。

落ち着かない思いであたりをみまわしていると、だんだん女子更衣室の中からその視線が感じられることがわかってきました。

気配とでもいうのか、誰かがいるという雰囲気のようなものが伝わってくるのです。

すごく怖いと思いましたが、なぜだかどうしてもその更衣室の扉を開かなければという気持ちになりました。


そっと更衣室の扉を開けて中をのぞくと明かりのついておらず真っ暗で、目が慣れるまで何も見えませんでした。

ようやく目が慣れた時、私は即座に駆け出して校舎に戻りました。

奥のロッカーの上に、乱れた髪をたらした武士の首だけが見えたのです。

私はどうしてもプールに戻ることができず、体調不良を理由にそのまま帰宅しました。

それから私は学校で一人になることを避け、3月の卒業まで一度も亡霊を見ることなく卒業しました。

私が卒業して数年でボロボロだった校舎は取り壊されたので、今はもうその学校はありません。

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