ももよん さん
タイトルの『ニューヨーク製菓店』とキム・ヨンスさんの自伝的小説という言葉に強く惹かれ、モニターに応募してみました。
キラキラした情景が浮かぶような文章で、読んでいる私も「ニューヨーク製菓店」に行ったことがあるような、どこか懐かしい感覚になる不思議なお話でした。
キム・ヨンスさんにとって、故郷は「ニューヨーク製菓店」であり、「ニューヨーク製菓店」こそが故郷である、何物にも変え難い灯りとして記憶されているのだと感じました。
時間とともになくなっていくものもあり、喪失感はあるけれど、決して悲しいだけではない、記憶に残っていることで誰かの救いにもなりうるのだと思います。私もそんな存在を見つけたい、キラキラした灯りを心に持っていたい、と思わせてもらいました。
訳の崔真碩さんの選ぶ言葉も秀逸で、これを読んだ気持ちが色褪せないうちに、原文版を読んで、翻訳によるイメージの違いも楽しんでみたいです。