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ゆい さん

  
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ニューヨーク製菓店というレトロで可愛らしい名前、焼きたてのパン、鉛筆で書かれた作者の懐かしい記憶。ところどころに差し込まれる故郷の描写や父親の手紙、母親との会話は誰しも共感できるもので、温かいけれど、ちょっと切ないお話と思い、すっかり油断していました。


「ある日、私はふと、もう自分が生きてゆく世の中には苦しいことだけが残されていると考えるようになった。」


この段落を読んだ途端、出し抜けに涙が出てきました。

30歳を超えて数年が経ちましたが、近頃、ふとした瞬間に忘れていた子供の頃の記憶が甦り、戸惑うことが増えました。

記憶の中の場所や人が、もうこの世には存在しないことがたまらなく寂しく、そのことを忘れていた自分を許せない気持ちになるのが常です。


作品を読んで、自分の生きてきた時間の扱い方に戸惑っていたのだと気付くに至りました。

この世にはなくても自分の中だけには永遠に残り、自分を支えてくれるものを、キム・ヨンスさんは「灯り」と名付けました。

きっと明るい時には見えなくても、辺りが暗くなったら自分の周りを照らしてくれるものなのでしょう。

生きる中で失ってきたものとの折り合いの付け方を教えてもらったように思います。

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