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りゅうのすけ さん

  
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『ニューヨーク製菓店』

名前からイメージするのは重厚なドア、濃い茶の木製棚に金色のトレイに、正統派の焼き菓子が綺麗に並ぶお店なのだけれど、読み進めていくうちに、自分の脳内イメージを訂正。

これはもしや「ホノルル食堂」とか「珈琲ブラジル」とか「喫茶ロンドン」とかの、昭和チックなあの感じ?


主人公のお姉さんが1965年生まれとある。ほぼ同世代。時代のイメージを掴みつつ読み進める。


主人公は『ニューヨーク製菓店の末っ子」として、地元の人たちに認識されている。自分が選び、望んだ事柄でなく、生まれた時からの環境(ニューヨーク製菓店)が、自分のアイデンティティとなる不思議。


そこで育った思い出は、当人のフィルターを通して体験,感じたことであって、店に対する思い、記憶、感情も、両親それぞれ、兄姉たちもそれぞれ、末っ子のそれとは異なるのだろう。


同じ時間を共有していても、感じ方は人それぞれなのだから。


店と家を手に入れ、家族を養い、子供を育てていた両親にとっての、あの店は、どういう存在だったのだろうかと思う。兄姉たちにとっても、それぞれに記憶と想いがあるのだろう。


そして、皆、自分だけの思い出が光の粒となって、現在の自身を支えてくれているということに思い至った。


店自体が消えて無くなっても、存在がなくなったわけではないんだなという、安堵感。

人の記憶の中に確かに存在する、あの頃の街。通り。店。そして家族。



キム・ヨンス作家の文章を読んで感じた静寂感。自分はどう?と自身を振り返るよういざなわれたような。


今はもう、違う土地で、自分の家族と暮らしている私自身に重ね合わせて、読んだ。


思い出が、今の自分の一部となっているんだと、あの頃の家はまだ自分の中に存在しているんだと、感じさせられた。


今度会うときは、母の思い出を聞いてみようか。

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