本サイトは、SHARE info(シェアインフォ)で作成された投稿型サイトです。
今すぐ、無料で、簡単に「投稿型サイト」が作成できます。

プレス さん

  
通報 ウォッチ 0

わたしは韓国文学の熱心な読み手ではありません。

それでも、「菜食主義者」「82年生まれ、キム・ジヨン」「外は夏」と読み継いできました。

偶然にもすべて女性作家です。

わたしは、問題意識の高い女性の視線を通した、韓国社会の今を知りたかったのかもしれません。

そこに共通するのは、韓国社会における女性の生きづらさと理不尽でしょう。

それは日本社会の女性たちにも通底している。

余談ですが、「愛の不時着」「梨泰院クラス」にも、女性の視線によって紡がれたものが感じられます。


「ニューヨーク製菓店」の著者キム・ヨンスさんは、わたしと同じ男性であり、ほぼ同世代です。

この歳になると未来の可能性の少なさを、否応なく知ることになります。それは悲しさであり、成熟でもあるでしょう。

過去の思い出は圧縮され美化されます。

「あの頃は」「あの場では」「あの人は」

それが自分なりの指針になっていく。


「ニューヨーク製菓店」の語り手は、著者自身が投影されているでしょう。

彼は過去の思い出を語り、未来の少なさを感得する。

それでも、その過去から得た経験と指針から、未来にある微かな灯を見てとる。

そのことに、同世代の男として強い共感をおぼえました。


上の女性作家たちは、今を見つめながら未来を語り、キム・ヨンスさんは過去を見つめながら、未来を語る。

対照的な視線から紡がれた物語を生み出す韓国文学界と、それを翻訳出版する日本の出版界の豊饒に感謝の気持ちで一杯です。

関連する投稿

  • 投稿 - 2021/11/28
    Mikitty さん
    0

    とても大切なのに、見届けられなかったもの。たとえば肉親の最期。長く暮らした実家を明...

  • 投稿 - 2021/11/28
    照屋 多賀子 さん
    0

    作家の背景を知らず、まっさらな状態で読みました。ニューヨーク洋菓子店というタイトル...

  • 投稿 - 2021/11/28
    ちはる さん
    0

    何度も読み返したくなる本は、そう出会えるものではありません。異国のニューヨーク製菓...