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マル さん

  
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80~90年代、作者の子ども~青年時代を綴った物語。


東アジアの歴史について恥ずかしながら私は何も知らないのだな、とまず思う。

韓国はベトナム派兵してたっけ、李承晩て誰?といった感じに。クリントン、パパブッシュ、レーガン、辛うじてカーターあたりまでは自分の記憶とともに思い出すか、少なくとも名前をリアルタイムで聞いた覚えがあるのに、第五共和国?全斗煥?金泳三?とスマホに手が伸びてGoogle検索してしまう。

それなのに、もみの木に豆電球、輝くモールに銀紙のベルを私は知っているし、バレンタインにチョコレート、ホワイトデーにキャンディが売られるようになった時代、新しい“おしゃれ”なパンが売られるようになった時代を知っている。

個人営業の店が24時間営業のチェーン店に変わってゆく時代を知っている。

物語を通して、知らないようで知っている懐かしさを感じた。

知らない街で迷子になったような不安と、一本通りを入ったらよく知っている場所だったような安堵感に似ているかもしれない。


寂しさと懐かしさの入り混じった切ない記憶を呼び起こす物語だった。

そしてその記憶が今の自分を生かす“灯り”となっているのだな、と思う。希望というとサーチライトみたいに力強すぎる気がするけれど、夜道の街灯のような“灯り”に。


余談だけれど。

夜に読み終わってから就寝したら、子どもの頃のお祭りの夢を見て目が覚めた。プラ板や紙粘土で作られたブローチなんかを買った懐かしい思い出。何のお祭りだったかな。

そして、夜が明けて、去年亡くなった兄の誕生日なので両親と墓参りに行ったのだけれど、自死だった兄の灯りは消えてしまったのだ、という事が悲しいし、せめてこの物語を読んだ人にはほんの少しの灯りがともり続けますように、と願う。

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