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米倉 愛 さん

  
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さまざまな灯りで彩られた懐かしい街や店の描写を目で追いながら、キム・ヨンスさんと同じ景色を見せてもらっているような、まるでその灯りが”わたしの灯り”であるような錯覚を覚えました。

そして、この懐かしい風景が終わっていくものだという仄かな気配。その気配に少し悲しくなって、そこで一旦読むのを止めました。

読み進めたら、この温かい灯りが消えてしまうような気がして。


何かが終わっていく時、そこに音はあるだろうか、匂いはするのだろうか、どんな温度なのか。

何かが終わっていく時、それはとても静かに、音もなく、誰にも気づかれないうちに終わるのではないか。

キム・ヨンスさんならそれを描いてくれているのではないか。

それを確かめたくなって、もう一度続きを読み始めました。


ニューヨーク製菓店の終わり、それは店を売った瞬間ではなく、お母さんが売れ残ったパンをつめたビニール袋をぎゅうぎゅうに縛っていた時なのかもしれない。

温かく煌びやかな灯りに包まれていたあの頃が終わる時、わたしはそこに、ゴミ袋を漁る猫たちのひそやかな足音と早朝のシンとした空気を感じました。


終わりというのはやはり寂しい音や匂いがする。

でも、そう思いながら最後のページを読んだ時、そこに見出された丸く朧げな灯りにとても慰められました。

そうだった、こういう灯りに慰められて、私たちは生きてきたんだった、と。

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