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3月クララ(文芸ユニットるるるるん)

  
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数年前、大切な友人を失った。彼が好んだ音楽や芸術に出会ったとき、彼の不在に、わたしの喪失感は膨れ上がっていった。二度と会えなくなった彼は、生前よりもかけがえのない存在になった。

「あらゆるものは、記憶の中でのみ永遠」
「見えるものが全てではなく、この世から消えたと信じていたものが、実は私の中にそっくりそのまま存在する」

この小説を当時のわたしが読んでいたら、どんなに救われただろう。

わたしが記憶している限り、彼も、消失した思い出の地も、永遠に存在することができるのだ。

夢も持てず、トロフィーをもらっことのない人生に、価値はないのか。財を成すことや、人から羨まれるような輝かしい人生を送ることばかりが幸せなのではない。そこかしこに、わたしの生きてきた痕跡は印を残している。その印ひとつひとつが、わたしの心を豊かにしてくれた小さな灯火であるはずだ。

わたしも誰かの心に灯る慰めとして残ることができたら。その希望もまたほんの少しの灯りとなって、わたしを生かしてくれるだろう。

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