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arakuma3 さん

  
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私にはこれほど人生の多くを占めた場所というものがなく、一度目に読んだ時、そのような場所があることを少し羨ましく思しました。家族と共有する場所であり、社会からも認知されている場所は、誰もが持つもの、持てるものではないと。

初めから終わりまで、淡々とした文章が、感傷的でもなく、ただ過去を、たちこめる製菓店の香りと一緒に閉じ込めているようでした。


二度目に読んだ後、読み終わってしばらく経ってから、パンではなく急に醤油の香りがしてきました。醤油は私が幼少期にいた町の特産物です。最寄り駅を降りると醤油の香りがまず鼻につく、そんな町です。どちらかと言えば思い出したくないことの方が多い町ですが、失うことなく、確実に私自身であり、私の中に箱があればその中に閉まってある記憶でした。


ニューヨーク製菓店は、落ち着いて自分の過去を振り返った時、儚くて、大切で、でも涙はこぼさないでまた胸にしまう。そんな本でした。きっと誰の中にもニューヨーク製菓店があることを思い出させてくれるのだと思います。


自分にとっての大部分と思えるものがなくなった後も、自分は残され、生きていく。これは誰にとっても同じなのだと感じました。

ほんの少しの灯りを、守っていきます。

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