キャラクターの年齢を決めるときの注意点――環境によって人は変わる
みなさんは、ご自身が中学3年生のころ、
どのような人間であっただろうか。
私の場合は、正直に言えば、
まだ自分の考えをもたず、表に出さず、大人の言うことに従うだけ。
そんな印象を持っている。
家のことは親に任せきりで甘えん坊。
勉強はよくしていたが、進路はしっかりと定まらず、なんとなくで自分に合った志望校を受験した。
そんな自立していない15歳だったからだろうか。
私はあるファンタジー小説を書く時にある失敗をした記憶がある。
ファンタジー世界では、15歳の子供はすでに働いている場合が多い
私が書いたあるファンタジーの物語は、
傭兵である主人公と、育ての親を失ったばかりの14~15歳のヒロインとの出会いから始まる。
主人公はヒロインが生きていけるように、あれこれと手を貸す。
そして、物語の中盤で、孤児院に送るという決断をする。
しかしこの展開、あまり読者うけはしないだろう。
なぜなら、題名にも書いたが、
ファンタジー世界の子供の多くは、すでに十代半ばで働くからだ。
端的に言えば、読者から
「孤児院にはいるなんて甘ったれたことをせずにちゃんと働け」
と思われてしまうわけである。
だから、私はこの物語で、ヒロインの年齢をもっと下げるべきだったのだ。
(もっとも、直そうと思った時には、いろいろなしがらみ、ご都合主義が発生してしまい難しかったのだが)
ファンタジー世界を書く時には、その類の人間が世間からどういうふうに見られているか。
常識からきっちり勉強する必要がある。
日本におけるものがたりで、大人びすぎた子供を書くのは危険
ファンタジー世界の子供は大人びている。
逆に言えば、日本の世界の子供は、のびのびと生きているということになる。
だから15歳の時点で自立しているキャラを書くなら、それなりの理由が必要になるし、
さらに10歳くらいで、とても大人っぽいキャラを書くなら、さらなる理由が必要になる。
言っておきたいのは、
「日本の子供の方が劣っている」
というわけでは決してないことだ。
日本の子供は、日本という環境の中で、
現代におけるさまざまな問題に直面している。
子供ながらに必死で頭を悩ませているだろう。
現代にしろ、ファンタジーにしろ、
物語の登場人物は、その世界の中で困難に遭い、必死で生きている。
そういう様をしっかりと描写できれば、
きっと小説は面白くなる。
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