小説において、クライマックス以外にも面白い場面はちゃんとあるだろうか?
クライマックスは物語における華だ。
この瞬間を描くために、小説家は物語を書く。
そう言っても差し支えないほどにクライマックスは大切だと思う。
そこが面白いかどうかで、小説そのものの評価が確実に違うだろうから。
しかし、だからと言って序盤中盤は適当で大丈夫、
なわけがない。
ここでは、クライマックス以外の場面の重要性を改めて考えてみたいと思う。
単純に序盤中盤がつまらないと飽きられてクライマックスまで読まれない。
題名の通りである。
読者の方々は自身の時間を割いてまで、こちらの物語に触れてくれている人。
つまらない前半を見て、最後まで付き合う義理はないだろう。
では、面白い序盤中盤とはいったい何なのか。
クライマックスまでの場面の役割というものをしっかりと考えていきたい。
序盤中盤はクライマックスの引き立て役
前半部分で飽きられることのないように、工夫が必要な序盤中盤。
しかし、個々の場面として、ただ興味を惹かれる内容にしておけばいい。
というわけではない。
クライマックスは物語の集大成だから。
前半部分でいろいろなことがあった結果、最後に立ちはだかる試練に挑むのがクライマックスといっていい。
序盤でケンカをたくさんした主人公とヒロインは、
中盤で少しずつ仲を深めていって
でも、クライマックス前で、ヒロインが危ない目にあって
大切な気持ちに気づいた主人公はヒロインを助けるために、クライマックスで立ち向かう。
登場人物の説明
物語の舞台や環境の把握
立ちはだかる試練の内容
クライマックスは、事前にそれらが説明されていなければ決して成り立たない。
こういった意味でも、
ただ、ポンッ、と面白いクライマックスを書けばいいというわけではない。
言い換えれば、序盤中盤が面白くなければクライマックスも面白くない。
面白くて、役割をもっている、そんな序盤中盤とはどんな内容か
ここも題名の通り、
クライマックス前の理想について述べていきたい。
理想の序盤中盤の要素は数え切れないほどあると思う。
それでも例をあげるなら、以下のようなものがあげられる。
設定の説明はだらだらと退屈するものでなく、説明でも読者の気をひかせること。
面白さをつくるためには、斬新さが必要になる。
人間は繰り返すごとに飽きてしまうから、逆に言えば斬新なものには興味がわく。
ただ突っ立って、ながながと設定の説明をするのは ×
見たことのないおかしな敵(対立するもの)と相対しながら、自然なながれで説明するのは 〇
といったところだろう。
序盤中盤とだんだん良い雰囲気になったところで、クライマックス前でストンと落とす。
ずっと暗い物語は、心に負担で楽しくない。
程度こそあれ楽しくなってきたところで、一気に試練をあたえるからこそ、
読者はハラハラドキドキして、クライマックスで期待を込めるのである。
だんだんと仲良くなっていった主人公とヒロインが、
ストーリーで、思い切り引き裂かれて、
それでもクライマックスで添い遂げる
その時にうまれるクライマックスのパワーはどれほどのものだろうか。
人生、ブラックホールのように常に黒ではない。
そんな意思をもって物語をかけたなら、クライマックスはより引き立つのではないか。
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