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破天荒な小説

投稿:破天荒スパイラル  
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破天荒スパイラルの小説コーナーです。

暇すぎるので書いて出します。

拙いですが、面白さと読みやすさだけ目指します。不定期。

コメント

    『心酔の夢』 破天荒スパイラル さん: 2020-10-16 00:02:59

    0章「不時着」

    夜空の星が瞬きをした。
    時計の針が二時を過ぎた刹那のことだった。
    日本。山に囲まれた田舎町にひっそりと佇む民家に、人魂にも似た、小さな青い光が落ちた。光は、その古民家の屋根をすり抜け、一室で眠る少年の額に潜り込むように消えた。
    「う…………何…」
    少年は微かに寝言を漏らす。しかしその声は、深い夜に溶け込んでいってしまった。

    その日、謎の青い光を観測・目撃した者は、誰一人としていなかった。

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    心酔の夢 破天荒スパイラル さん: 2020-10-17 11:06:29

    1章.1「予報」

    「今日最も良い運勢の星座は、魚座のあなた!」
    女性キャスターが軽快な声で占い結果を告げた。僕は魚座だから、今日はついている日かもしれない。朝から少し良い気分だ。
    「ラッキーアイテムは、鋭利なハサミ、持ち歩きましょう!」
    なんて物騒なんだ。これじゃあ全国の魚座が危険人物扱いされてしまう。やっぱりこの手の占いは信憑性が低いな。まったく。
    僕は心の中で毒づいた。

    僕は皿の上のバタートーストを平らげ、テレビを消した。身支度を整えるのだ。
    ワイシャツを着ながらスマホに届いたメッセージを見る。
    「冷蔵庫に夜ご飯入ってます。レンジであっためて食べて」
    母さんからだ。そういえば昨日、遠方に出張すると言っていた気がする。母さんは市役所で働いていて、人一倍多忙なのだ。
    なるほど、どうりで朝から静かなわけだ。

    高校登校の準備を終え、玄関へ向かった。
    「あ、忘れてた」
    と、僕は急いで自分の部屋に入り、机の引き出しから`鋭利なハサミ´を取り出してリュックにしまった。
    信じたくなくても信じてしまう。それが占いというものだ。
    僕は玄関から、朝日に包まれた町に出た。

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    心酔の夢 破天荒スパイラル さん: 2020-10-17 22:21:52

    1章.2

    「睡眠は人間の心身に大きな影響を及ぼします。ええ…睡眠は2種類に別れます。ひとつは、夢を見る時期のレム睡眠………」

    先生の声が、降り出した雨と襲い来る睡魔によって遮断されていく。僕はマスク越しに最小限に抑えた欠伸をした。
    今は1時間目、保険の授業。異常に眠い。そして、皮肉にも睡眠についての学習だ。
    窓際の1番後ろからクラスを見渡すと、やはり皆眠そうに、顔が下を向いていた。
    僕の顔もゆっくりと降下していく。

    「じゃあ、29番の福田。わかるか?」
    「はい」
    まさかの僕だ。反射的に立ち上がって返事をしたが、何を聞かれたのか分からず、ただ黙って立ち尽くした。教室の空気が張りつめている気がする。この、嫌な感じ。
    「福田…聞いてなかったのか?しっかりしなさい」
    「はい…」
    その時、後ろの方から押し殺したような笑いが聞こえた。いつものことだ。
    僕が失敗すると、クラスは必ず僕を笑う。確かな悪意を持って。
    慣れたことだ。だから、何も辛くない。
    その時、何故か頭が猛烈に痛くなった。思わず僕はガタンと机に手を着いた。
    「ん?大丈夫か?」
    「先生、なんか頭が……」
    「痛いのか、ちょっと皆自習しててくれ、他のクラスは授業してるか、くれぐれも騒がないように」
    僕は先生に連れられ、保健室に向かった。

    「開いてないな…。そういえば今日出張だったかもなぁ…」
    先生が保健室の扉を開けようとしながら言った。僕は早く家に帰りたかった。これ以上痛みが増さない内に。
    「どうすればいいですか?」
    「うーん、職員室で休むか…。先生が車で家に送るか…」
    どちらも避けたい選択肢だった。
    「先生、荷物って持ってきてますよね」
    「あぁ、そうだけど…」
    「じゃあ1人で帰ります、自転車で。家、近いんで」
    そう言って僕は床に置いてあるリュックを背負って昇降口へ歩き出す。
    「あ、でもな福…」
    「今日はありがとうございました、しっかり休みますから、さようなら」
    「あ、あぁ、そうか…。気をつけろよー」
    僕は半ば強引に高校を後にした。

    (あとがき:ちょっと辛い描写が多いですが、ここからどんどんファタンジーになります)

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    心酔の夢 破天荒スパイラル さん: 2020-10-17 22:42:33

    1章.3

    降りしきる雨の中、僕はペダルを漕ぐ。
    身体が冷たい。足が重い。頭が痛い。ストレスが遂に爆発したのか。もう耐えられない。
    どうしてだ。
    今日はラッキーな日じゃなかったのか。1番運が良かったんじゃないのか。
    占いだけじゃない。僕は誰も、何も信じられなくなっている。最悪だ。

    やっぱり、「あの日」から僕は少し壊れている。間違いない。

    家に着いた。よく事故に遭わなかったものだ。ほんとは運がいいのかもしれない。いや、ない。いや…。
    僕の思考は狂った時計のようにぐるぐると回る。
    玄関の鍵を開け、乱暴に靴を脱いで自分の部屋に入る。リュックを下ろし、倒れるようにベットに横になった。
    すると、ピタっと頭の痛みが治まった。まるで魔法をかけられたようだ。が、その引き換えのように再び睡魔が襲って来た。
    「っ…」
    意識が遠のいていく。視界が歪み、水面のように揺れ、縮み…。

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    誤字 破天荒スパイラル さん: 2020-10-17 22:43:46

    ベット⇒ベッド

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    心酔の夢 破天荒スパイラル さん: 2020-10-18 09:55:00

    2章.1 「放 浪」

    目に強い光を感じ、僕は目覚めた。重い瞼を持ち上げていく。
    一体今は何時くらいのだろうか。そんなことを考えている内におかしなことに気がついた。
    僕は自室のベッドの上で寝たはずだ。でも目の前に映るのは木の…机だ。さらに目線を上に上げ、僕は勢いよく立ち上がってしまった。
    寝ていた机の前にはさらに机が並び、そしてその先には黒板。
    学校の教室だ…。
    どうして…逃げ出したはずなのに。誰かに連れ戻された?実はまだ学校で寝ていた?さまざまな憶測が脳内を駆け巡る。
    ふと右側を見る。僕はまたも驚いた。
    隣4つ分の席に、知らない人たちが座って寝ているのだ。
    僕と同じような高校生くらいに見える。全員、白い長袖Tシャツに、青いジーンズ、というシンプルな服装をしていた。
    自分の姿を確かめる。僕も同じだった。制服ではなかった。
    ここは、夢の中なのだろうか。にしては意識がはっきりしすぎている。

    …4人は目覚める気配がない。こうなれば…起こすしかない。状況が不明なのは1番厄介なことだ。
    まず僕はすぐ隣の眼鏡を掛けた、背の低い男子を起こすことにした。

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    心酔の夢 破天荒スパイラル さん: 2020-10-20 23:01:15

    2章.2

    「あのー起きてください」
    僕は少年の肩を揺さぶる。
    「う………」
    微かに声が聞こえた。どうやら目覚めたようだ。
    「ん……?え、え…」
    少年の緑のフレームの眼鏡越しに目が合った。彼は座ったまま体を起こした。
    「だっ誰ですか?!というか、ここは……?」
    ひどく狼狽している様だ。僕は状況を説明することにした。
    「それが、目が覚めたらいつの間にかここに居てですね、僕も状況が把握出来てないんですよ。突然だったもので」
    「……誘拐されたんですか?僕達。こ、ここにいる3人も…」
    なるほど。誘拐の線は考えていなかった。
    「いや、分かりません。僕もついさっき起きたばかりだから…」
    「にしては冷静ですね…」
    確かにそうだ。自分でも気味が悪いほど冷静になってきている。目覚めた直後の混乱が嘘のようだ。
    「まぁ…。とりあえず他の3人を起こしましまょう。」
    僕が提案すると「で、ですね」と返された手前から順に起こしていくことにした。

    僕の眠っていた席の右の2番目。
    そこにはショートカットの少女が眠っている。僕は声を掛ける。
    「あの、すみません。起きてください」
    「あ、起きそうだ」
    眼鏡の彼が、顔を覗き込んだ。
    と、次の瞬間。彼女の左手が素早く動き、彼の頬に平手打ちを食らわせた。風船が割れたような音がした。
    「うわっ」
    その音と反するように小さな声をあげ、彼は床にしりもちをついた。僕は唖然とした。
    少女は立ち上がり、こちらを睨めつけた。
    「誰!アンタ達。ていうかここはどこ!説明して!」
    なかなか気の強そうな人だ。さて、どう説明するか。悩んでいる内に、3番目にいた少年が立ち上がった。
    「あ?!何処だここ!何だよテメェら!!」
    髪は茶髪で体格がいい少年だ。気性の荒い人は1人で十分だ。これは困った。
    「なんなの!アンタら!」
    「説明しろよ!!おい!!」
    冷静だった僕もさすがに焦り始め思わず、平手打ちのせいで右頬が赤くなった眼鏡少年と顔を合わせた。

    「ねぇ、取り込み中ごめんね」

    声を荒らげていた2人が、若干血走った目で後ろを振り返った。
    けど、2人はすぐに静まった。目を見開いて固まった。僕と眼鏡の少年もだ。
    「ここってどこ?」
    そこには、のような真白な長い髪に、綺麗な青い目をした、絵に描いたような少女が立っていたからだ。
    直感的に、綺麗だ、と思ってしまった。それ以外に言葉が出てこなかった。

    「コスプレイヤー?」
    気の強い少女が首を傾げながら言葉を発した。
    「とりあえず落ち着いた所で、状況を説明しあいましょう、ね」
    僕は皆の顔を伺った。ようやく、冷静に話ができそうだ。

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    破天荒スパイラル さん: 2020-10-20 23:03:50

    のような の前は「雪」が入る

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    心酔の夢 破天荒スパイラル さん: 2020-10-24 22:29:42

    2章.3

    「…つまり、お前にも分からないってことか?ここがどこか…」
    茶髪の少年は怪訝そうな眉をひそめた。
    「そうです。ほんとに何も…」
    僕は4人に、自分が早退して眠り、気がつけば自分の通う学校の教室によく似た場所にいた、と簡潔に伝えたのだ。
    「お前、高一ってことは、俺とタメか」
    「あ、君も15か16なのか…。僕は16だけど」
    「俺は16」
    もう少し歳上だと思っていたが、意外だった。自然と敬語が抜けた。すると、眼鏡の少年が口を開いた。
    「僕も16ですよ。高校一年生」
    それに続いて、他のふたりも、
    「ウチも高一なんだけど」
    「わたしもそうだよー」
    と続けた。
    これでひとつ共通点が見つかった。ここにいる全員の年齢が同じなのだ。
    「そういえば、君の名前は?」
    眼鏡の少年が僕を見て言った。

    「僕は福田 晴也。君は?」
    「佐藤 成亮です。シゲアキのシゲは成功の成という字で、アキの漢字はリョウと読む漢字ですね。由来としては…」
    「あ、えっと、もう大丈夫だよ。他の皆は…?」
    僕は長くなりそうな話を止め、他の人の自己紹介を促した。
    ショートカットの少女が口を開く。
    「ウチは中条 凛。成亮くん、だっけ?さっきはごめんね。平手打ちして。脊髄反射でやっちゃってさ」
    「いや、大丈夫ですよ。痛かったけど…」
    次に、口調の荒かった茶髪の少年だ。
    「俺は本郷 将。呼び方は本郷でいい」
    体格や話口調から、威圧感、というか貫禄のようなものを感じる。
    最後は、あの一際目立つ容姿の彼女だ。
    「えっと、私は宮本詩織。なんかよく分からないけど、よろしくね」
    「宮本さん、その髪とかは染めてるの?」
    中条さんが尋ねた。この現状よりも大きな疑問だったのだろう。
    「染めてないよー。私はね、生まれつきこうなんだ。ハーフとかじゃないけど」
    「アルビノか…」
    成亮くんが納得したように頷いた。宮本さんも「そう、それそれ〜」と頷いていた。
    「なぁ。そんなことより、この場所がどこか突き止めようぜ。福田の行ってる学校に似てんだろ?」
    本郷くんが焦れったそうに言った。
    「そう、そうなんだ。僕は初めは自分の通う学校だと思っていた。けど、よく観察すると教室中の文字という文字がないし、右側に扉や小窓が一切ない。何より…」
    「あれか…。おかしいよな。どう考えても」
    僕ら5人の視線は窓の方に集まる。窓の外。本来なら学校の周えるはずだ。しかし、この窓の外には…

    「青い砂漠………」

    淡い照りのある水色の砂の丘が、目の行き届く先まで連なっている。空は文字通り一点の曇りもない、砂の青よりも濃い、澄んだ海のような青の晴天だ。つまり、見えている景色は太陽の光を除いてほとんどが「青」1色なのだ。
    「なんなの……?ここは日本じゃないの?」
    「凄い綺麗だねぇ、不思議~」
    中条さんの不安そうな声に被せて、宮下さんはころころと笑っている。
    「ありえないですね…。世界中どこ探しても、こんな砂漠…」
    成亮くんはまじまじと窓の外を見つめている。僕は何気なく教卓の上を見た。
    そこには、さっきまで無かった、古びた四角いラジオが置かれていた。

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    心酔の夢 破天荒スパイラル さん: 2020-10-26 23:03:57

    2章.4

    「あの、みんな。あれを見て」
    「ん?何だあれ、ラジオか?」
    「あんなのなかったー」
    5人で恐る恐るラジオに近づいていく。
    …文字は一切ないが、再生ボタンらしきものは分かる。というより他にボタンがない。
    「ねぇ、押すのこれ?」
    中条さんがラジオの表面を触りながら言った。
    「押すしかないね」
    僕はボタンを押す。すると、ざっ、と短いノイズが走ったような音がした。
    「なんだよこれ、壊れてんのかぁ?」
    「本郷くん静かに!何か聞こえますよ」
    成亮くんの言うよう、ラジオから男性らしき声が聞こえてきた。音量が上がった。

    『はじめまして。5人共。突然見知らぬ場所で目覚めて混乱していると思う。
    いや、正確にはまだ君達は目覚めていない。ここは、君達5人の夢の中だ。今は信じられないかもしれない。だが、いずれ理解出来るはずだ。
    そして君達にはとある頼みがある。このラジオ機器の近くに、小さな青い玉があるはずだ。それを、遠くにみえる光の柱の場所まで運んで欲しい。壊さぬように。
    …君達には数多くの困難が待ち受けているかも知れない。しかし、決して諦めずに、最後までやり遂げてほしい。どうか、頼んだ。
    この星の運命の為にも。幸運を祈る。』

    ラジオの音声が途絶えた。それにしても、受け入れ難い内容だった。
    「僕達は夢の中にいるってことですか?」
    「んなわけないでしょ!ウチは信じないから……」
    中条さんは窓の外を見て声を落とした。夢の中ではない、という考えを、水色砂漠の存在が否定してくるのだ。
    「よく分かんねーけど、青い玉っつーのは何処にあんだ?」
    本郷くんと一緒に僕は辺りを見渡す。
    「あ!あったよ!青い玉!冷たーい」
    そう言った宮本さんは、教卓の中から青い玉を取り出した。ピンポン玉程の大きさで、濃い青の完璧な球体だ。
    「これを光の柱に運ぶ、か…」
    「あれですかね、光の柱」
    僕は成亮くんの指差す方を見た。窓から見える景色の遥か彼方。そこにはたしかに、天高くまで伸びた黄色の光の柱があった。
    「遠いけど、運んでみようぜ。面白そうだし」
    本郷くんが嬉嬉として言った。
    「面白いかは、さておき、あそこに向かう以外選択肢はないね。いつまでもここに居たら埒が明かないよ。」
    「僕も福田くんに賛成です」
    「わたしもー」
    中条さんも無言ながら頷いた。
    僕はふと目に付いた清掃用らしきロッカーを開けてみる。すると、中から5つの白いリュックが雪崩のように出てきた。
    「なんだこのリュック…。」
    それぞれ中には水で満タンの水筒と、たくさんの飴玉が入ったケースが入っていた。
     本郷くんがケースから白い飴を取り出して、一つ口にした。
    「ちょっと、本郷くん!どうするんですか危ないやつだったら…」
    成亮くんの制止に構わず、本郷くんは飴を舐めずに噛んで飲み込んだ。
    「うめぇ!甘いなこれ。それに、なんか1粒なのに腹いっぱいになったわ」
    「万能飴玉ってことかな?」
    僕も1粒口に含む。なんだか懐かしいような、優しい甘さが口に広がった。空腹ではなかった僕も、腹が満たされたように感じる。
    「よっしゃ!これで旅出来んじゃね?夢の中とやらを!」
    「わーい、嬉しー」
    と、本郷くんと宮本さんはまたも嬉嬉として言ったのだった。

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