絵心とは何か・・

上手い人は上手い。下手な人は下手。どこに違いがあるのだろう。

おそらく、見えている物はほとんど同じように見えているはずである。
つまり頭へのインプットは似たようなものではないか。
もちろん詳細まで観察する力の有無などの差はあろう。
しかし、物の概観などは大差なく識別しているはずである。

見た映像が記憶として脳に蓄積される時に何か違いがあるのだろうか。
極端に実物と異なった形を記憶している自覚はない。
犬を思い浮かべれば、自分ではかなりリアルに犬の映像が脳裏に蘇る気がする。

もし、頭の中の映像の概観がおおよそ間違っていないとするならば、
その概観を描く時に動かす腕や手を思い通りに制御できていないのか。
自分では思うがままに体を動かしているつもりである。

何が原因で絵の出来栄えに差が出るのか。

しかし、よく考えてみれば、認識した物体や想像した物体を何かに描くという行為自体が、
奇跡じみたことのようにも思えてくる。
物を認識して、それを別の媒体に模写する行為それ自体が、神秘的な事なのかもしれない。

そうだとするならば、その神秘と奇跡を存分に味わう事が肝要である。

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