CanvaとTATEditorで小説本作成

投稿:もーず  
ブックマーク 3

装丁自体は表紙マットPP加工、遊び紙トレーシングペーパー。

ただし、作業環境が少し特殊でした。

・スマホとパソコンはあるものの、Word、一太郎なし。

・デザインソフトも使えない。

このような状態でも、様々なサービスのおかげで作成できた一冊です。

装丁とは直接関係がない情報が大部分ですが、備忘録としてまとめておきます。


使用したツール一覧

・NOVEWRITE(執筆)

・TATEditor(原稿作成)

・Canva(本文以外のページ 扉、目次その他と表紙)

・I LOVEPDF(入稿・サンプル作成のためのPDF結合、PDF変換)

・CUBEPDF(フォント埋め込み)


普段の作品は基本的にスマホ(Android)を使って執筆。アプリはNOVEWRITEを使用。

本にするにあたりスマホだけでは組版&校正が難しいと感じたので、作品データをテキスト形式にしてメール送付、パソコン上で組版&校正を行いました。実はNOVEWRITEにはアプリ版とブラウザ版で同期機能があるそうなので、そちらを使えばよりスムーズな執筆ができたと思います。

原稿の様式設定とPDF化に使用したのがTATEditor(デスクトップ版)です。縦書きで執筆でき、段数文字数上下左右の広さノンブル位置などといった各種設定を細かく調整できる素晴らしいツールです。ただ、ヘルプがシンプルなため「ページ設定は見つけられても何をどうすればどうなるのかがわからない」ということが頻繁に起きてしまい、自分のスキルでは本文を作るのが精一杯だと判断しました。

残りの目次や扉、奥付等は表紙作成のために導入したCanvaで別途作成しています。

Canvaは絵がかけない&画像加工の技術がなくても多種多様なテンプレート・素材、感覚的にわかりやすい使用方法がとにかく便利でありがたかったです。またこちらもブラウザとアプリの同期が可能なため、スマホでのスムーズな作業も可能です。

ただ、そんなCanvaにも作業中注意するところが二点ありました。

一つがフォント埋め込みについて。一部のフォントが埋め込めないことに最終工程でようやく気が付き、急遽導入したCUBEPDFで確認後も埋め込みができなかったフォントは結局別フォントに置き換えて対応しました。

もう一つが、文字に透過機能を使うとPDF化した時に意図しない白線が透過部分に入るということ。これも透過を使わず、色の濃淡を変えた文字を重ねて透過機能を使ったときと似たようなデザインに見えるようにして対応しました。この白線は編集画面上ではわからず、フォント埋め込みができていないことに気がついた最終工程で初めて発見しました。

フォント埋め込みの可否についてはネット上で検索するとまとめてくださっている方もいるので、一度確認してから使用フォントを決めるのがいいかもしれません。

(※これらの不具合については、現在修正されているのか未確認ですのでご了承ください)


TATEditor(本文)とCanva(中表紙・目次・奥付等)で原稿のパーツ(PDF)が揃ったので、最後にこれらをまとめるために使ったのがI LOVEPDFです。ブラウザ上でPDF結合・分割・編成することができるので、本文ファイルとその他ファイルを並び替えていきました。

とても便利なのですが、一つ一つ手動で差し込んでいくため、ページ数が多い作品だと途中でどこに入れるのか見失ってしまったり、挿入ミスが起こったりしそうだと緊張しました。

また、I LOVEPDFではPDFのJPEG変換ができるので、後にサンプルページを作るときにも利用しました。


(デザインについての反省点)

・表1表4をひとまとめにしたデータを作ったものの、おそらく背表紙の幅を計算に入れてなかったため表紙のデザインがズレた。

・1ページに入る文字数に注力したあまりノドが狭くなりすぎた&文字サイズが小さくなりすぎた。

(※後者はコピー代をケチって校正段階で等倍印刷をしていなかったことが原因の一つです。校正は誤字脱字チェックだけではないというのとを身をもって知りました)


(使用ツールについての振り返り)

・不慣れなツールを使ったため、とにかくさまざまな情報を調べながら本を作るのが大変だった。

・多くのユーザーによるQ&Aが充実した文書作成ソフトのありがたみが身にしみた。


……以上のようにたくさんの苦労や失敗もあったものの、とにかく「本にしたい!」という気持ちだけで突っ走り、作成した本でした。

自分の未熟のせいでいらぬ回り道をしましたが、今回利用したアプリ、サービスはどれも本当に素晴らしいものです。

今はパソコンを買い替えたためWordを使用していますが、TATEditorはすごく細かいところまで原稿を設定できたり、左右見開きで確認できる表示モードがあったり、アウトラインツリーの作成が容易だったりと、すごく自由度の高いエディターツールだと思います。

CanvaとI LOVEPDFは、その後の本の作成でも大変お世話になっております。

信じられないことに、これらの使用ツールはすべて無料です。すごい世の中だと思ったとともに、「自分の環境でも本が作れる!」と気付いた時は本当に嬉しくなりました。


試行錯誤しながらこの一冊を作ったことで、本を作る苦労と楽しさを知ることができました。記念すべき最初の一冊です。

コメント

    まだありません。

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