【サービス紹介】「同人イベントのための託児 にじいろポッケ」さまインタビュー
同人活動を楽しむ皆さんのなかには、日々、子育てを頑張っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。同人イベントの日に、安心して大事なお子さんを預けることのできる「同人イベントのための託児 にじいろポッケ」は、子育てを頑張る皆さんの大切な趣味を応援してくれる素敵なサービスです。
今回は、主催の四辻さつきさんに、サービスへの想いや立ち上げの経緯についてお話を伺いました!
お子さんにとっても楽しい同人イベント専門の託児サービス
――はじめに、「にじいろポッケ」さんのサービス内容について教えてください。
四辻さつきさん(以下、敬称略):にじいろポッケは、同人イベント専門の託児サービスです。イベントの日時と場所に合わせて、サークル参加も余裕で可能な時間帯に運営しています。利便性はもちろん、プロの保育スタッフがお預かりするので、親御さんにとっても子どもにとっても安心で楽しい託児所を目指しています。
――親御さんだけではなく、お子さんにとっても楽しい場所というのは素敵ですね。
四辻:親としては、子どもが嫌がっていると申し訳ないとなってしまうので、子どもが楽しかった、また行きたいと思ってもらえるよう心掛けています。
具体的な取り組みとしては、お預かりする年齢や人数に合わせて、おもちゃや遊びを十分に持っていきますし、広さも普通の保育所よりかなり広めに取るようにしています。
コミケなどの大きなイベント限定ではありますが、ショッピングモールやホテルの催事等で設置されるような「立体プラレール」も設置しています。それがあるとプラレール好きな子は親御さんに目もくれず遊んでいますね(笑)。
自身の経験や子育て中のフォロワーさんたちの思いを受け立ち上げへ
――託児所を立ち上げようと思った経緯はなんでしょうか。
四辻:私自身、同人活動にハマったのが出産後だったんです。上の子が2歳で下の子は妊娠中のときでした。配偶者の都合で転勤をした先、友達も家族もいないなかで、子育てがとても大変で。そんなタイミングで某ジャンルと出会って、高校生くらいで卒業したと思っていたはずのオタクの魂が戻ってきたんですよね。人は追い詰められたときって本当に好きなものが出てくるんだなと(笑)。アニメを見て、TwitterやPixivにアカウントをつくり、二次創作を始めるまで、その間1カ月。
――オタク特有の行動力!
四辻:本当に、その活動がとっても楽しくて(笑)。妊娠中はイベントに行けたんですが、二人目を産んだあと、預け先を見つけるのが大変だったんです。気軽に家族に預けていくわけにもいかず、数カ月に一度のイベントのために結構な苦労をしないといけない。そこで、託児所があったらいいのになと思ったんですよね。
――同じ思いをされている方は多くいらっしゃりそうですね。
四辻:はい。実際、その思いをツイートしたら、とても反響があったんです。いいねをもらったり、子持ちのフォロワーさんからリプをたくさんもらったり。それまでは、フォロワーさんに同世代の人や親になっている人がどれくらいいるのか知らなったし、自分の子育てのこともあまりツイートしていなかったけど、結構同じ状況で困っている人が沢山いるんだってわかったんです。
だったら、マンツーマンのシッターさんを呼ぶのではなく、みんなで預けられる場所をつくりスタッフさんに来てもらった方が経済的なんじゃないかと思ったのがきっかけです。
モチベーションを支える 同人活動ならではの“感想”文化
――思い立って、実行に移される行動力が素晴らしいですね……! 元々そういったサービス立ち上げのご経験はあったんでしょうか?
四辻:私自身が幼児教育のNPOに関わっていたり研究をしていたこともあって。幼稚園や保育園などに取材に行く活動を通じて、色々な場所を見てきた経験があったことも大きかったです。自分の子育てのときにも色々なサービスを利用していたので、どんな託児だったら自分が預けたいと思えるか、安心して預けられるかを考えて、自分で最高の託児所をつくる!と思っていましたね。ここでもオタクらしい謎のパワーが発揮されていました(笑)。
だからこの活動が儲かるとか、戦略的なビジネスとかは考えてなかったというか。ニーズはあるかもと思っていたので、とにかくやってみようという感じでした。
――運営を続けるためには、経済的な部分でもご苦労がありそうですね。
四辻:実際、収益化は厳密にはいまもできていなくて、基本は赤字運営です。立ち上げて一年が経ち、このまま一人で続けていくことは厳しいと思ったので、2017年にクラウドファンディングを開始しました。このサービスにかける想いを伝えて、人が集まらなかったらやめようと思っていたんですが、想像以上のご支援をいただけました。今はそのときのお金や、ビジネスコンテストの賞金などでやりくりしている状況です。
――大変なお取り組みだと思いますが、続けていくモチベーションはどこにあるのでしょう?
四辻:やはり必要としている人がたくさんいると感じるからです。それと、これは同人文化が影響しているのか、感想を頂けるんですよね。それが同人活動のようで、嬉しくてやめられません(笑)。誰かの役に立てるのは嬉しいですし、続けてほしいという声も多いんです。「3年ぶりにイベント参加できました」「子どもも楽しかったと言ってました」といった感想が励みになっています。
始めたときは「趣味のために子どもを預けるのか」という声がなくもなかったのですが、今はほとんどありません。育児がどれだけ大変かということの認知や、子育て中の方を皆で支えようという意識が社会的に高まってきているからだと思います。
「同人イベントのための託児所」があることで、自分の趣味を楽しんでリフレッシュすることができる、という選択肢になれたらいいなと。
社会で子育てをするコミュニティとして
――今後の展望や目標があれば教えてください。
四辻:もし可能であれば、イベントの公式と連動できたらいいなと思っています。いまはコミティアさんとは連携していて、公式で告知してもらったり、サークル案内に入れてもらっています。また、9月には初めてビックサイト内の部屋で託児をやらせてもらう予定です。こうした展開が今後も広がっていけば嬉しいです。
――最後に、利用者の方やご利用を検討している皆さんにメッセージをお願いします。
四辻:皆さんに、すぐに使ってほしいというわけではありません。預けられないときのために続けてほしいけど、毎回使うわけじゃないという方も多いんです。でも、そうやって気持ちを寄せてくれたり口コミしてくれるということが嬉しいですね。子どもがいない方や子どもが大きくなった方でも応援してくれる方がいるのですが、それは社会で子育てをするということにつながるのではないかなと思っています。
子どものいるクリエイターさんを応援する、そのためににじいろポッケを応援するという温かいつながりのあるコミュニティをつくっていきたいです。自分も子どもが大きくなったら、いま子どもがいる方を応援し、社会で子育てをするバトンをつなげていこうと思っています。
*
四辻さん、素敵なお話をありがとうございました!
にじいろポッケでは、現在下記のイベントの託児申込を受付中とのことです。子育て中の皆さまは、ぜひご利用を検討されてみてはいかがでしょうか?
2022年
8月13・14日 夏コミ(コミックマーケット100)
8月21日 スパコミ関西(SUPER COMIC CITY 関西 28)
9月4日 コミティア&Jガーデン(COMITIA141&J.GARDEN52)
にじいろポッケ:https://nijiiropokke.info/
Twitter:https://twitter.com/nijiiropokke
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