120ページの糸綴じコピー本とおまけ
コピー本はいいぞ。(主題)
本編120ページと別冊付録16ページの2冊組のコピー本です。
ワンテーマで連作したTwitterログを「物理で読みてえな……」ってなって作りました。
なんでわざわざコピー本にしたかって? 作りたかったからだよ! それに尽きる。
個人でできない美麗な加工を組み合わせて印刷所さんに頼むのはもちろん楽しいんですが、推しの概念を隅々までフルオーダーメイドで詰め込んだ本をゼロから自分の手で生み出していくの、クラフトオタクの魂がめちゃくちゃ興奮する。手製本はいいぞ。印刷所さん通すより格段に安いし。その分かかる手間が膨大なので少部数じゃないとできないけどな。
製本方法
糸だけ製本 http://www.mars.dti.ne.jp/~4-kama/book/itodake/
120ページの製本は、こちらを参考に作りました。糊を使ってやるガチの製本はめんどくさいので……最近コデックス装流行ってるし(コデックス装は糊使ってますが)。まあ強度と見栄えの問題で最終的に紙で覆ってしまいましたが。画像1枚目の白にタイトル入ってる部分が別刷り、画像3枚目が覆う前の背表紙です。写真の角度が悪くて見えずらいですが、糸だけで綴じています。
使った糸は百均で売ってる普通の手縫い糸です。連作のメインキャラクターのテーマカラーが黄色だったので、黄色い糸を選びました。気づいてくださった方からメッセージいただいてニヤニヤした。
余談ですが、イメージカラー赤とか青だと本文インク替えもしやすいですが、黄色だと白地に印刷した時の視認性が著しく落ちるのでなかなか本文で遊べないですよね。悲しい。
で、この製本をするにあたって、折丁形式の面付をしなくてはならなかったんですが、これが一筋縄ではいかなかったので以下備忘録です。
テテーン♪ 「ブックレットをプリント」機能~!!
「折本サイズ」の欄で一折のページ数を設定できます
インデザは「任意のページで区切った複数の小冊子が通しで1冊になる」をやってくれます。これが月額利用料の差だ。
ただこれ、PDF出力に対応してないんですね。自宅プリンターならこれだけでよかったんですが、私が予定していた印刷がセルフコピーサービスにデータ持ち込みだったため、面付ができているPDFデータが必要だったんですよ。そこで。
テテーン♪ PostScript+Adobe Acrobat Distiller~!!
……呪文か?(初見時の感想)
私もよくわかってはいないんですが、どうやらPostScriptはPSファイルを書き出す仮想プリンター(のようなもの)、Acrobat DistillerはPSファイルをPDFに変換する機能(Adobe Acrobat DCに組み込み)らしいです。まあよくわからんでもやればできるのでやっていきましょう。
まずは「ブックレットをプリント」および「プリント設定」で紙のサイズや面付等を設定しておきます。プリンター選択でPostScriptファイルを選んでプリントすると保存ダイアログが開くので、任意のファイル名と保存場所を選んで保存します。すると、保存先に拡張子が.psのファイルが作成されます。ここでインデザから一度離れます。
作成されたPSファイルを右クリックの「プログラムから開く」でAcrobat Distillerを指定して開きます。すると非常に90年代チックなUIのウィンドウとセキュリティの警告ポップアップが開きます。
いきなりこれが開くから正直めっちゃビビる。大丈夫です。
「はい」を押すとすぐに変換が始まります。「いいえ」を押すとPDFの設定が選べます。設定を触った後は、ファイル名をダブルクリックすると変換が始まります。
変換は数秒で終わり、元のファイルの保存場所と同じところにPDFファイルが保存されています。
正直、実際触ってみないと何のこっちゃわからんです。
別冊付録の方は16ページなので、普通に中綴じホチキス止めです。今どきは百均でも売ってるのがうれしいですね。
本編の方の表紙に使った紙の切れ端でちょこっと装飾しました。
クラフトパンチは一つ持っているといろいろ遊べて楽しいです。
組版設定
・本編
サイズ:B6(幅128mm×高さ182mm、裁ち落とし設定なし)
余白:天20mm/地19mm/ノド19.437mm/小口20mm
段組み:
(本文ページ)1段 字数/行数:44字16行
(題字ページ)変形1段 字数/行数:28字16行
本文フォント:TBUD明朝Std M 13Q
字間:0H 字送り:13H
行間:9.75H 行送り:22.75H
題字フォント:貂明朝Regular 32Q
糸綴じでこの文量を文庫サイズに作るのは、まあできなくもないけどちょっと厳しいのでB6を採用しました。いわゆる青年コミックサイズですね。このくらいなら素人の糸綴じでも自重に耐えられる。あとこのサイズ感好きなんですよ。B系統にはセンチメンタルを覚える。
裁断はしない設計でしたが、印刷自体のずれが怖いので小口余白は大きめです。実際左右5mmくらいずれて印刷されたので気をつけてよかった。糸綴じはガバッと開くので、ノドは狭くても大丈夫です。
製本の関係でページを節約したかったので、独立した扉を入れずかつ話の変わり目が分かるように、題字ページのレイアウトでちょっと変わったことをやりました。参考にしたのは岩🌊書店さんのハードカバー洋物児童書。章頭だけ1ページが二段組みのように上下に分かれて、上段がイラスト、下段は本文になってるやつ。この上段部分に、各話タイトルとTwitter掲載時のキャプションを載せました(Twitterログはキャプションまで含めて一つの作品だと思っているので)。無駄なページを食わずそこそこ文字を詰められて一目で話が変わったことがわかる。神か?
この各話タイトルとキャプションに貂明朝を使いたくて、本文も明朝体を採用。自宅で印刷した時はインクジェットのせいかかなり太く出て心配だったんですが、頒布用はレーザープリンターでデータから出力したので、イメージ通りになりました。
・別冊付録
サイズ:B6(幅128mm×高さ182mm、裁ち落とし設定なし)
余白:天20mm/地19mm/ノド19.437mm/小口20mm
本文フォント:(縦組み)源ノ明朝Regular 13Q・(横組み)游ゴシックRegular 13Q
字数/行数:(縦組み)44字16行・(横組み)30字25行
別冊付録は縦書き横書き混在本です。前と後ろから別の話が始まるやつ。自分で面付けする本はこういうイレギュラーを自由にできて楽しいですね。考えることは増えますが。これはさすがに2回くらい試し刷りしました。
8ページ目で前半と後半がぶつかったところに“あとがき”ならぬ“なかがき”が入る構成です。
横組み部分はテレビ番組の台本の体裁で、フォント変えたり絵文字使ったりいろいろやりました。印刷所に入稿する時はここまでやらないなたぶん。絶対不備出すと思うので。
何はともあれ、コピー本はいいぞ。
コメント
まだありません。
コメント
返信
コメント
コメントを削除
この操作は取り消しできません。本当に続けますか?