色違いケンランキラ+本文混色風二色刷りの本2種
装丁
【装丁① 左側のピンク色の本】
表紙:ケンランキラモモにフルカラー&白版印刷+角丸加工
本文:オリンパスクラフトに混色(あずき色)風のK+M二色刷り
遊び紙:ヴィンテージゴールド モス 前後
【装丁② 右側の水色の本】
表紙:ケンランキラアサギにフルカラー&白版印刷+角丸加工
本文:モンテシオンに混色(藍色)風のK+C二色刷り
遊び紙:里紙(山吹)前後
詳細
どちらも表紙本文ともにデジタルオフセット印刷です。
ケンランキラモモが可愛くて気に入っていた紙だったので、機会があればアサギの方も使ってみたいと思っていたところ、印刷過程の都合でおたクラブさんでのお取り扱いが終了すると聞き、以前に作った本の色違いのような装丁にしてみました!
そのため、今回はその両方を一緒に記録したいと思います。
装丁①の本
まずは「ケンランキラモモ」を使用した方の本です。
表面はキラキラとしたラメの入ったメタリックカラーのピンク、裏面はマットなサーモンピンク色という可愛い紙です…!
当初は遊び紙に緑色のラメ系の紙でカラペラピスのマカライトという紙を予定していたのですが、入稿する前に廃盤のため取り扱いが終了してしまい、カラペラピスと系統が近い「ヴィンテージゴールド(モス)」を使用しました。
ヴィンテージゴールドの方は表面のみキラキラとしたラメのカラーが入っていて、裏面はクラフト紙になっているという両面で色が違う紙です。今回使用した「モス」はモスグリーン系の落ち着いた色で、傾けるとゴールド寄りの色味になります。
桜とお花見がテーマの本だったので、ピンク・緑・茶色など、桜の木のモチーフや色を選びました。紙の地の色の桜と白版の桜、白版の上にフルカラー印刷の桜と少し複雑な白引きをしています。
下地に白引きをしていても(特にブルベ系の褐色キャラはイエベ寄りになってしまうなど)紙の色の影響を受けてしまう事を予め想定していましたが、全体的な色味が落ちてしまうよりかはいいかな?と、全体的に暖色が多い配色のまま特に調節せずに入稿しましたが、手癖の色彩と相性が良かったのか、紙の色の影響は殆どありませんでした。
全体画像では少し判り難いのですが、眼鏡のキャラが指輪をしている構図なので、そこだけほんのりキラッとできないかな?と指輪の部分の白版を抜いて灰色だけ置いてみたのですが、ケンランキラのメタル感がそこまでギラギラしたものではないので、傾けると心持ち少しキラッとして見えるかな…?くらいに留まりました。
こちらは表紙とは別のメタル紙を使用したノベルティのポストカードの画像です。
表紙の小ネタが判り難くなる事を想定していたので、銀箔紙を使用したポストカードの方も指輪の部分の白版を抜いて傾けるとキラキラするようにしてみました。
桜の花びらの部分も同じ仕様にしています。
本文は以前に投稿した「自前加工遊び紙+本文混色風二色刷りの本」と同じ、CMYKの中から二色を選ぶタイプの混色風二色刷りの色違いです。
そちらの本では墨とイエローのインクを抹茶風の混色にしたK+Y二色刷りにしたので、今回は墨とマゼンタのインクをあずき色風の混色にしたK+M二色刷りにしてみました。
本文用紙に使用した「オリンパスクラフト」と相性が良くて、ちょっとレトロな雰囲気の色味になったかな?…と思います!
上が実物画像、下が入稿したCMYK(KとMのみ)のデータをRGB変換したものです。
今回はオリンパスクラフトを使用したので、混色風のあずき色っぽさが判り難いのですが、白い紙に印刷した場合は下の画像に近いマゼンタ寄りの色味になると思います。
おまけノベルティの小話
この本のノベルティには前述のポストカードと一緒にこんな感じの桜の花びら型抜きステッカーを小話の最後(桜の花が舞うシーン)に挟み込んでみました。
ポストカードの方は指輪の部分の小ネタがしたかったので、表紙絵のデザイン違い差分なのですが、もう少し記念写真っぽい絵のポストカードにしていたら本文の話と合っていて良かったかなぁと今更ながら…!
装丁②の本
そんな訳で、こちらは「ケンランキラアサギ」の方を使用した本です。
ケンランキラモモと同様に、表面はメタリックカラーの浅黄色、裏面はマットな浅黄色になっています。画像で反射している部分が紙のメタリックな部分なので、白引きした部分が伝わるといいな…!
ケンランキラモモの方では特に気にならなかったのですが、ケンランキラアサギの方は紙の色の影響を受けたのか、実物は上記の画像よりも彩度が低い肌色になっています。
①の本と同じパレットを使用しているカラーだったのですが、ケンランキラモモを使用した方と比べるとシアンが入って少しくすんだ色合いになりました。
(補正が入ってしまった影響で画像だけだと判り難くなってしまいましたが…!)
遊び紙は画像だと少し紙の質感が伝わり難いのですが、和紙とクラフトの中間のような質感の「里紙(山吹)」です。この本では水と胡瓜の花をイメージして、水色や黄色をモチーフのカラーにした装丁にしてみました。
そしてこちらが本文。本文用紙はコミック紙に近い質感のモンテシオンを使用。
ケンランキラモモの方の本では墨とマゼンタをあずき色風の混色にしたK+M二色刷りにしたので、こちらの本ではモチーフカラーの装丁に合わせて墨とシアンのインクを藍色風の混色にしたK+C二色刷りです。
表紙が思っていたより彩度が低めになってしまったのですが、装丁自体が寒色カラーだったので、それも味かな…?となりつつも、褐色肌のキャラは特にブルベ系だと紙の色の影響を受けやすい印象なので、毎回ちょっと色味に迷いつつ…!また色々な紙を使ってみたいです。
コメント
そんなこんなで、前回と合わせて墨を使った「K+Y」「K+M」「K+C」の混色風二色刷りパターンをそれぞれ試す事ができたので自己満足な本文混色二色刷りでした!
おたクラブさんは単色刷りと二色刷りが現在同価格帯で使えるのですが、単色刷りもCMYKの中から二色を配合しているみたいで、単色と二色刷りが同価格帯なのはそういう事なのか!と思ったのと同時に、単色刷りの茶色だけ高いのは三色使ってるからなのかも…!と気付いた今日この頃でした。
…というのも、私自身がCMYKの中から二色を使って茶色を作ろうとして何度やっても再現できず、どうしても三色は使わないと茶色らしい茶色を再現できなかった事から、今回の混色風二色刷りのデータができたという事もありまして…わはは。
色々試してみて、CMYKの中から墨を入れた色合いの方が彩度の低い色味で本文向きだなぁと感じたのですが、最近出した本で「ライムグリーン風C+Y二色刷り」も試してみて面白い感じに仕上がったので、今後そちらも記録できたらいいなぁと思います。
混色風二色刷りの本は本文データの調節が面倒な反面、単色刷りとは違う濃淡や色味が出て個人的にお気に入りなので、また機会があれば試していない組み合わせでも挑戦してみたいです…!
装丁記録というよりも長々としたレポートになってしまいましたが、ここまでお読み下さった方がいらっしゃいましたらありがとうございました!
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