入れ子構造の装丁(全面箔押し+袋とじ)

投稿:はるみね  
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読み手である「あなた」が文豪から不思議な話を聞いたり、文豪と共に七不思議を探したりするうちに、図書館の秘密に触れてしまう……というコンセプトの本です。メタフィクション要素を含む本として、本編だけでなく装丁でも体感いただけるようにいろいろと趣向を凝らしました。


○表紙: カバー+全面箔押し

カバーには「時の止まった司書室(執務室)」をテーマに、七不思議が語られそうな、静かで少し不穏な雰囲気の廃墟風内装をイメージして描いていただきました。

そしてカバーを外した本体表紙には、黒地に全面レインボー箔を押しています……! こちらはいわゆる解説を記しており、本編の後に載せると世界観が崩れそうだったため、セルフオマージュ(本編でもカバーを外すと黒地に全面レインボー箔の禁書本だという話を書いています)も兼ねてカバー裏行きとしたものです。レインボー箔はずっとやってみたかった装丁の一つなので、かなり思い切って使ってみました。文字の箔押しだからこそ細やかな色の違いが出ていて、怪しさと迫力満点です。


○袋とじ

世界観や用語の定義をまとめた「用語集」がゲームに実装されたのを意識して、おまけ要素に袋とじをつけてみました。詳細は割愛しますが、最後に読むとあっ…… と察してもらえるような内容になっています。

本編読了後に見ていただけるよういかめしい文言を考えていたのを覚えています。


○上下逆さまの本文

「上下逆さまの本を読むと気がおかしくなる」という内容の話を書いたので、実際の装丁でもこのお話だけ上下を逆にしています。お手に取っていただいた方からは印刷ミスかと焦ったというお声もいただき、ドキドキしてもらえて嬉しかった点のひとつです。


○余談

本の装丁ではありませんが、おまけに封筒をつけています。中には報告書があるのですが、こちらはビリビリに破いたものを入れています。

ただ読むだけではもったいないので、読者のあなたに手を動かしてもらうことで「物語」に関わってほしいと思っていました。あわよくば読み終わった後には、読み始めた頃のあなたには戻れないことをその手に刻んでほしいという気持ちもありました。せっかく本にするのであれば、オンラインではできない仕掛けをやりたくなってしまいます。


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コメント

    まだありません。

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