デジオフ刷グリッターペーパー本&オンデマ刷ミランダ本の比較

投稿:しそ  
ブックマーク 2

装丁

本文の一部が間に合わず、先に試し読みの準備号としてオンデマンド印刷で発行した本と、その後デジタルオフセット印刷で出した本なのですが、似たようなラメ系の紙でも結構見栄えが違ったり、デジオフとオンデマで大分印象が違った事が面白かったので、それも含めた装丁記録と比較のレポートです!



【左側の装丁 デジタルオフセット印刷の完成本】

 表紙:グリッターペーパーオーロラ+角丸加工

 本文:コミックペーパー クリームに混色(抹茶色)風のK+Y二色刷り

 遊び紙:アートドリープ リズム(前) / クラシコトレーシングFS(後)


【右側の装丁 オンデマンド印刷の準備号】

 表紙:ミランダ スノーホワイト

 本文:コミックペーパー ブルーに墨刷り

 遊び紙:クラシコトレーシングFS(前のみ)


詳細

前述の通り、準備号をオンデマンド印刷、その後に発行した完成本はデジタルオフセット印刷で、印刷は全ておたクラブ(大阪印刷株式会社)さんです。

どちらの本もタイトルにちなんでキラキラとしたラメの入った紙にしました。


完成本の方は元々表紙にグリッターペーパーが使ってみたかったのと、似ているけれど種類が違う白トレペ系の遊び紙を前後に使用する装丁にしてみたかったので、上記のように装丁になりました。

なので、準備号の方は一部にそちらの装丁を意識した紙を選んでいます。


使用したデータ自体は若干本文の影を書き足したり加筆修正した以外は殆ど差異がないものですが、冒頭の画像を見ての通り、デジオフ版は寒色寄りで心持ちシアンが強め、オンデマ版は暖色寄りでちょっとイエローが強い感じになりました。



こちらがデジタルオフセット印刷

「グリッターペーパーオーロラ」を使用した方の表紙です。


デジオフ印刷のグリッターペーパーは黒いベタでもラメが隠れずはっきりと見えるので、個人的にとても気に入っています。

PPは付けていないので、表紙は表面のラメによるザラザラとした感触と、ラメの部分の特性なのか、少しペタペタとした感触があります。納品された本にはラメの干渉防止?か傷防止?なのか、一枚一枚紙が挟まれていました。

裏面は加工なしでマットな質感になっています。


私の色塗りの手癖の影響もあると思いますが、デジオフ版は褐色肌のキャラクターが想定よりブルーベース寄りになりました。手癖でほんのり暖色を混ぜた色にしていたものの、元々の肌の色がブルベ寄りのキャラクターなのでそこまで違和感はないのですが、実物のデータより若干シアン寄りに出たと思います。


一方で、寒色を使用した部分、特に背景の緑色の部分は綺麗に出たと思います…!



こちらがオンデマンド印刷の準備号

「ミランダ スノーホワイト」を使用した方の表紙です。


画像だと殆ど見えませんが、薄い色を使った部分にほんのりとラメが入る感じでした。

裏面にも同じ加工でラメが入っているので、表紙裏のキラキラも可愛い紙です。


グリッターペーパーほどの視覚的にわかりやすいラメではないものの、ミランダは両面にキラキラとしたラメが入っていて個人的に好きな紙なので、他の本でも使用した事があるのですが、オンデマンドだとベタや濃い色の部分はほぼラメが潰れる感じになります。デジオフセットだとまた違うかもしれないのですが、薄めの色や背景に白が多いイラスト向けの紙という印象です。


二人の肌の色は実物データに近い色が出たのですが、全体的にイエローが強く出て、背景の方は想定より黄ばんだ感じになったと思います。



上記の画像だと殆ど見えないので…こんな感じで粒々のラメが両面に入っています。



こちらは裏表紙

背景の部分で比較するとこんな感じで、同じ絵のデータでも印象が違う感じです!


手癖で色にイエローを混ぜがちなので、デジオフだと再現が難しい色なのか、暖色に関してはオンデマンドの方が実物データに近い色が出るという事が稀にあるのですが、この部分に関してはデジオフの方が実物データに近い色で、オンデマの方は全体的に黄ばんだ感じの色になったと思います。


今でも同様の仕様かは判らないのですが、おたクラブさんが使っているデジオフのインクはシアンに特殊な配合のインクを使用していて海外から取り寄せているそうなので、私のイエローが強い色の塗り方だとシアンがちょっと強めに出るのは、おたクラブさん独自のものかもしれません。寒色系はとても綺麗に出ていると思います。




本文の網目比較はこんな感じです。


一部グレスケの影が飛んでいるように見えるのは、準備号のデータから髪の毛の影を描き足している事によるものなので、印刷で飛んでしまった訳ではないです…私が書き足しました…!


おたクラブさんのオンデマ印刷はマットな黒インクを使用しているのでパッと見はほぼ変わり映えがないのですが、拡大すると若干ジャギーの処理が異なる感じで、中濃度~濃度の高いグレスケは少し掠れて見える部分もあるため、グレスケのデータはデジオフの方が滑らかに出る印象です。



デジタルオフセット印刷の本文と遊び紙

過去にこちらへ投稿した「自前加工遊び紙+本文混色風二色刷りの本」と同じ混色(抹茶色)風のK+Y二色刷りと同じ仕様にしています。


本文用紙はコミック紙のクリームなので、同じ本文インクの仕様にしている上記リンク先の本とは少し違う雰囲気になりました!



遊び紙は模様の入ったトレペ系の用紙「アートドリープ リズム」、後ろの方は無地のクラシコトレーシングを使用して、前後で少し違う白トレペという装丁にしています。



オンデマンド印刷(準備号)の方の本文と遊び紙


こちらはあえて色違いのコミックペーパー、ブルーを使用してみました。

遊び紙は上記の後ろ側にも使用したクラシコトレーシングFSです。


コメント

推しCPの片割れの誕生日に併催CPオンリーがある…!という奇跡的なタイミングだったのにもかかわらず、本文の一部が間に合わなくて落とすか悩んだ挙句「いま出来ている部分だけでもオンデマで出して試し読み準備号として出そう…!」から始まった二冊でした。


翌月、丁度C100記念でコミケに申し込んでいて参加予定だったので、完成版はコミケ合わせで発行する形になってしまったのですが、奥付にC100のロゴを使えるという貴重な体験もできたので、自己満足ではありますが、やりたかった装丁もできたので、これはこれで…!と発行できて良かったです。

コメント

    まだありません。

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