メゾンTH ついにガチの狐になった話
「…ここまで売れるとはな」
メゾンTHに所属しているとは言え、俺も小説家。デビュー作から暫くして二作目を投稿したら、某会社の目に留まり、そっから知名度爆増。アニメ化まで漕ぎ着けた。
「学園ものがここまで需要あると思わなかった…次回作も学園もので攻めるか…。いや、」
それは作家として非常によくない。前の作品を越えられなかったら、全然打ち切りも有り得る。出来るだけ違うジャンルで…。
「って、まだ完結すらしてないのに何言ってんだ俺は…」
まだアニメ化しかしてないのにここまで被害妄想が激しいともう自分で自分を心配してしまう。
「…外出るか」
およそ一週間ぶりの外出だ。
「ここ、前も通ったな…」
確かここでこの姿になったんだよな。懐かしい。
「…あぁぁあ、眠い…」
まさか近くに波瑠ちゃん居るのか?…いや、見た感じ居ない。そしてこの眠気の原因は…恐ら…く…。
目を覚ますと、視線がやけに低くなっている事に気付いた。
(喋れない…?)
近くの鏡を見る。
(…はぁ!?)
何か狐になってるんだけど!いや元々半分狐だったけどさ!なんだこの異世界転生とかでありそうな展開!
(…帰るか)
最近、外出する度に酷い目にあってる気がする。もう神が外出るなと言ってるようなもんだろこれ。…そういや俺、神(笑)だったわ。同族嫌悪ってやつか。
無事帰宅。解除方法が分かったが、面白そうだからこのまま入るか。
(…ん?)
目の前にリーダーが…。嫌な予感しかしない。
「か、か…可愛いっ!」
うわ抱きつかれた。…やべ、人集まってきた。
(…あっ、名案)
ここで変身を解除。傍から見ればリーダーが俺に抱きついている構図の出来上がりだ。
「どうしt…。うわぁ…」
「リーダー、それはちょっと…」
「ロリコンからまた更に新たな扉を開けましたね…」
「おいパシリちょっと来い」
「待って!誤解だって!さっきまでそこに可愛い狐が…」
「ん…?狐と言えば…」
察しが良くてありがたい。
「この度、本物の狐にもなることに成功しました」
「「「「「どんだけ変身するんだよっ!」」」」」
リーダーはメゾンTHのSECOMの皆さんに処されましたとさ。
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