メゾンTH 番外編2
「っ…!『世界停止』!」
時が止まる。しかし、その少女の姿は目の前に無かった。
「まさか…」
俺が恐る恐る後ろを振り向くと、目と鼻の先に少女の姿があった。
「おいおい、嘘だろ…?」
確かに2時から3時の間は霊的存在の者は強くなる。だけど、まさかここまでとは…。
「…死んだかもしれねえ…」
とりあえず、少女に向けて弾幕の雨を降らせてからその場を離れ、『世界停止』を解除した。すると、設置していた弾幕が少女に命中する。しかし少女は何事も無かったかのように、再び襲いかかってくる。
「効いてねえ…!」
額に嫌な汗が滲む。俺は『真紅ノ大槍』で応戦する。しかし、素早い上に攻撃力も高いので、俺はジワジワと追い詰められていく。
「くっ…、『四体分身』!」
俺は4人に分裂し、反撃に出ようとする。だが、次の瞬間には分身は全員倒されていた。
「は…?」
動揺している俺に、少女が攻撃してくる。
「『バウンサー』!」
俺はすぐに気を取り直し、『バウンサー』で少女の攻撃をかわそうとする。しかし、次の移動先に少女がいた。
「読まれてる⁉︎だったらっ…!【威世之羅刹】!」
攻撃は最大の防御と言わんばかりの超連続攻撃を少女に浴びせる。だが少女はその全ての攻撃を、包丁1本で難なく受け止める。
「…バケモンかよ…」
俺の攻撃を全て弾いた直後、少女の姿が消え、俺の後ろに再び姿を現した。何してんだ?と疑問に思った瞬間、俺の全身から血が噴き出した。
「なっ…⁉︎」
俺は何も出来ずに地面に倒れる。すると、少女は俺の上に乗り、包丁を構える。そして、俺の身体を包丁で刺し始めた。
「がっ…はっ…」
だんだんHPが減り、意識が朦朧としてくる。
「やば…い、死ぬ…」
もうダメだ。そう思ったとき、少女が急に横に吹っ飛び、2人の人影が現れる。朧げな意識の中で何者か確認すると、正体はフランと美狐だった。
「う…美、狐?…がはっ!」
血反吐を吐く。
「今治しますから、喋らないで下さい!」
美狐が回復魔法で、俺の傷を癒す。俺は気を失った。
目が覚めると、フランが壁に寄りかかり俯いてる姿と美狐が少女に宙吊りにされている姿が見える。俺はふらふらと立ち上がり、剣を構える。そして、『光速移動』を発動させた。次の瞬間、少女の首は飛んで、美狐が少女の手から離れて、床に崩れ落ちる。
「美狐!」
ステータスを確認すると、気を失っているだけだった。フランも同じく気を失っていた。俺は2人を抱えて、紅雷神社に帰った。
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