【講座】4/4 「「北京クィア映画祭」が中国のクィア・アクティビズムに及ぼした意味」
2024年11月、「北京クィア映画祭」が17回目の開催を成功裏に終えた。近年、中国当局によるクィア運動に対する取り締まりと、SNSを中心に性的マイノリティに対するバックラッシュがさらに強まっている中国では、これは非常に異例なこととも言える。「北京クィア映画祭」の20年超の歴史を振り返ることを通じ、厳しい政治状況と社会環境に柔軟に対応してきた映画祭の存続戦略を分析した上で、映画祭の主催、そして映画制作が中国のクィア・アクティビズムに及ぼす意味について考える。
予約 https://sexuality.peatix.com/
日程 2025年4月4日(金)19:00~21:00
講師 于寧(う・ねい)さん
東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程満期退学。現在、国際基督教大学ジェンダー研究センター研究員、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 教養教育高度化機構D&I部門特任研究員。専門分野は中国映画史、クィア・スタディーズ。近代以降の中国本土の「同性間の親密な関係」をめぐる諸事象について歴史的研究を行っている。
開催方法
オンラインと会場開催を併用するハイブリッド開催
・会場…一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ事務所(東京・赤羽)
講座概要 「迷走するセクシュアリティー運動と政治の間で」
セクシュアリティをめぐる運動は本来、自民族中心的なナショナリズムを批判し、異性愛が当たり前とされる価値観や、男女二元論に基づく性の見方、結婚や家族のあり方、さらには資本主義そのものを見直すなど、社会の根本的な革命を目指すものでした。しかし、現在では、結婚の権利や緊急避妊薬(アフターピル)へのアクセス権といった個別の「権利の獲得」にテーマが限定され、運動の保守化・右傾化が進行しています。また、LGBTQ+向けのサービスやフェムテックなどにのみ注目が集まる一方、運動が商業的に利用されることで、本来の社会革命の力が損なわれています。
こうした現状を危惧する立場から、本講座では1980年代のエイズ/クィア・アクティヴィズムや1990年代の府中青年の家裁判といったこれまでの運動を振り返ります。これらは、単なる権利拡大にとどまらず、社会的排除や差別の根本的な革命を目指した運動であり、セクシュアリティをめぐる今日の課題に重要な示唆を提供してくれます。また、「地域づくり」と連携するパレードの取り組みや多様性を踏まえた性教育の実践など、経済的な成功だけではないアプローチ、エスニックマイノリティが抱える多層的な差別、セックスワークが排除されがちな問題を取りあげ、セクシュアリティの運動が社会を変える可能性を探ります。
参加費
一回券
・一般 1,980円(税込)
・2024/2025年度寄付者〈10,000円以上〉・学生 1,650円(税込)
・2024/2025年度ふぇみ・ゼミU30受講生 1,100円(税込)
全回通し券(全9回)
・一般 16,500円(税込)
・2024/2025年度寄付者〈10,000円以上〉・学生13,500円(税込)
◯お問い合わせ
〒115-0044 東京都北区赤羽南2丁目4-7 鷹匠ハイツ403
メール:femizemi2017@gmail.com
HPアドレス https://femizemi.org/
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