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メゾンTH 3話前編  by白機(&雨)

  
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南の門から出て王都への森を進んでいる時だった。「誰かいる?」足を止め呟く。首筋がチリチリする程の視線を感じる。そこへ視線を向けようとした時何かが動いた。そして...僕の右腕が弾け飛んだ。「...ッ!」感じたことがない痛みに息がつまる。赤い液が滴る傷口を押さえながら相手を見る。僕と同じ歳ぐらいの青年だった。手には赤い液が滴る短刀。頭がついていかない。なんで僕は攻撃された?コイツは誰だ。「...」相手の無言の突きがくる。当たり前だが僕は武術及び回避の心得なんて持っていない。胸あたりに強い衝撃を感じたや否や後ろに吹っ飛ばされた。「カハッ」全身が痛いを通り越して熱い。意識が朦朧とする。これが『交代』を表すものか『死』を表すものか今の僕には分からなかった。青年が短刀を振り上げる所で僕の意識は暗転した。/「...全く、白は弱っちぃなぁ」男の短刀をガードしつつ起き上がる。「別に白自体は勝手に死ねなんだけど身体共有だから白の死=俺の死なんだよなぁ」「...二重人格か」男が言う。「ご名答。白...お前が攻撃した方が表、俺が裏ってあぁこんなこと話してる場合じゃないね。ヤらないと」男を見る。「始めようか」

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