メゾンTH 第3話 written by宮城
Day7 Night
キィィ、と軋む扉を開けると、大きな広間に人影が一つ。こんな所にも人が住んでいるのか、と近づくと、その人影は幻であったかのように消えた。
直後、右足が爆ぜた。一瞬で、何の前触れもなく。叫び声を上げその場に倒れ込んだ自分に、コツコツと近づく足音。
「あなたが私の新しいおもちゃなの?」そう楽しげに問う幼女の声。その顔は、とあるゲームに出てくる吸血鬼にそっくりだったのだ。「前のおもちゃはすぐ壊れちゃって退屈なの。貴方は、私を楽しませてくれるよね?」今ここで下手な動きをすれば即座に殺される。かと言って戦って勝つなんて…「こっちこそ、今まで雑魚しか出てこなくて退屈してたんだ。そっちこそ…ボクを愉しませてくれるよね?」「…君は私に勝つつもりなのかな?私には他の誰にもない能力があるのに」…確かに、アレは分かっていても防げない。防ぎようがない。だから、そこに勝機がある。その一点に賭ける。
…今まででこんなに分の悪い賭けに挑んだ事など無かったのに。自分が自分じゃないみたいで少し気持ち悪い。どうにかなってしまいそうだ。
「それじゃあ、始めましょう?楽しい楽しい遊びの時間を」
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