メゾンTH 第1話 written by宮城
夜が来た。暗い暗い夜が。洞窟の外に誰も居ない事を確認し、外に出る。昨日と変わらず、月は綺麗だった。
行くあても無いままにだだっ広い草原をひたすら歩く。見える範囲に街の灯りは無く、ここが僻地である事は容易に想像できた。ふと自分の姿が気になり、肩から提げていたポーチから手鏡を取り出し、自分の顔を映す。そこに映っていたのは、とあるゲームで好きだったキャラクターの吸血鬼と巫女の見た目を足したような少女だった。「…何これ!?って声がロリ化してるし!牙生えてるし!どうなってるの…?」そこで、ある考えに思い至った。『もしここが異世界ならば、厨二のような能力だって使えるんじゃないか』と。「あ、雨よー降れー!」ドザァァァァァァ降った。しかも大雨。日本だったら避難勧告出てんじゃねーのってくらいの。流石に前が見えなかったので少し弱める。
歩き続けて何時間経っただろうか、大きな村に着いた。そこの村では干魃でもう何ヶ月もまともに雨が降っていないのだという。…仕方ない、作物育てよう。見捨てても良いけど、後味悪いし。それなら、この人達を助けたい。
「何と慈悲深い…貴方は神の使いに違いない!」…何だって?
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