4/18「なぜ私はセクシュアリティ研究をやめたのか」【迷走するセクシュアリティー運動と政治の間で-第9回】

投稿:ふぇみ・ゼミ~ジェンダーと多様性をつなぐフェミニズム自主ゼミナール  
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2010年代以降、性的マイノリティの運動や研究は、国家や企業の論理に取り込まれ、既存制度の表面的な「改良」によって満足させられることで、根本的な社会変革に向けた力を失いつつある。企業協賛イベントやLGBTQ+向け「ニッチ市場」の形成、同性婚法制化に向けた動きに対する「慣れ」や警戒感の薄れも、その反映といえる。こうした現状に、当事者として強い危機感を抱き、セクシュアリティをめぐる運動や研究が本来持っていたラディカルさを取り戻すために必要な視点を考えたい。


 日程  2025年4月18日(金)19:00~21:00


 講師  飯野由里子さん

ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員、東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター教員。一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員。専門はフェミニズム・ディスアビリティ研究。主な著書に『合理的配慮:対話を開く対話が拓く』(共著、有斐閣、2016年)、『「社会」を扱う新たなモード:「障害の社会モデル」の使い方』(共著、生活書院、2022年)など。


 予約  https://sexuality.peatix.com/

  • お申し込みの締め切りは【2025年5月1日23:55】です。
  • お申込み時点ですでに終了している回につきましては、後から配信でご覧ください。


 開催方法 

オンラインと会場開催を併用するハイブリッド開催

 ・ 会場:一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ事務所(東京・赤羽)


 チケット 

一回券

・一般 1,980円(税込)

・2024/2025年度寄付者〈10,000円以上〉・学生 1,650円(税込)

・2024/2025年度ふぇみ・ゼミU30受講生 1,100円(税込)

*全9回の内、複数回(9回未満)を購入される場合、お手数おかけしますが一回券をそれぞれの回で1枚ずつお申込みください

全回通し券(全9回)

・一般 16,500円(税込)

・2024/2025年度寄付者〈10,000円以上〉・学生13,500円(税込)


 講座概要 迷走するセクシュアリティー運動と政治の間で」全9回

セクシュアリティをめぐる運動は本来、自民族中心的なナショナリズムを批判し、異性愛が当たり前とされる価値観や、男女二元論に基づく性の見方、結婚や家族のあり方、さらには資本主義そのものを見直すなど、社会の根本的な革命を目指すものでした。しかし、現在では、結婚の権利や緊急避妊薬(アフターピル)へのアクセス権といった個別の「権利の獲得」にテーマが限定され、運動の保守化・右傾化が進行しています。また、LGBTQ+向けのサービスやフェムテックなどにのみ注目が集まる一方、運動が商業的に利用されることで、本来の社会革命の力が損なわれています。

こうした現状を危惧する立場から、本講座では1980年代のエイズ/クィア・アクティヴィズムや1990年代の府中青年の家裁判といったこれまでの運動を振り返ります。これらは、単なる権利拡大にとどまらず、社会的排除や差別の根本的な革命を目指した運動であり、セクシュアリティをめぐる今日の課題に重要な示唆を提供してくれます。また、「地域づくり」と連携するパレードの取り組みや多様性を踏まえた性教育の実践など、経済的な成功だけではないアプローチ、エスニックマイノリティが抱える多層的な差別、セックスワークが排除されがちな問題を取りあげ、セクシュアリティの運動が社会を変える可能性を探ります。

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