メゾンTH第0話
目を覚ますと、暗い洞窟の中だった。誰も居ない心細さに耐えながら、必死に出口を探す。そして、外に出ると、夜だった。月明かりが煌々と夜空を照らしていた。「…綺麗だ」ふと漏れ出た独り言。答える者の無い独り言。それに返答があったとしたら、僕はどれだけ喜んだだろうか。
だが、その独り言に答える者は居なかった。いつまでそうしていただろうか、空が明るみ、太陽が昇る。そして太陽が地平線から現れた瞬間、皮膚に激痛が走った。悶え苦しみながら洞窟の奥へと逃げる。この瞬間、脳内で1つの仮説が組み上がった。『ここは地球ではなく、別の星なのだ』という仮説が。
それを知ったからと言っても、何も出来ない。どうせ、日没までは外に出れないのだから。「一応、名前も決めとくか。名乗る機会があるかもしれないし。それに…彼奴等と会うかもしれないし」ただの希望的観測ではあったが、後にその希望は現実となる。しかし、その時の自分は知るよしも無かった。
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落葉です。来ました 落葉さん: 2021-04-09 16:13:36
メゾンTHの最初ってあんましイメージ出来なかったので有難いです。
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