メゾンTH By白機
「竜王の血族ね〜」
竜王については間違ってはないと思う。だが血族については信憑性に欠ける。誰かがイタズラ半分で流した噂と考えていいだろう。
「さて...どこに行こうか」
師匠から教えてもらった情報集めに最適な場所3選を思い出す。①酒屋②古本屋③領主館 流石に散歩感覚で侵入する訳にはいかないので古本屋を目指す。
『図書館などでもいいがそこは国や地方の管轄下なので自分達に不利な情報は隠蔽している。だが古本屋は管轄下だがさほど検知も来ないためそのような本が紛れ込んでる可能性が高い』
–建付けの悪い引き戸を開け足を踏み入れる。中は薄暗く店主らしき人は寝ていた。風土記などは基本カウンターから見えないエリアにある。なんでかは知らない。ここも同じでカウンターから見えない棚に風土記らしき書物が並んでいた。適当に目を通していくと竜王についての記述があった。
【太古の昔この辺り一帯は竜王という巨大な竜に治められていた】
どうやら竜王は正式名称のようだ。さらに読み進めていくと竜王は死んだのではなく封印されていること。血族は数百年昔に滅びたことが記されていた。とりあえずは元がとれたので情報として扱うことにする。しかし血族は既にいないらしい。やはり風の噂だったようだ。風土記を棚に戻した時棚の上に箱があることに気付いた。背を伸ばし箱を手に取る。桐の箱で中には何か入っているようだった。そして箱には無数に御札が貼られていた。
「 ...」
ここで僕の頭には2つの選択肢が現れた。①そのまま元あった場所に戻す②札を剥がして開ける 生憎僕は情報屋。こういうのに関しては好奇心旺盛なんだ。札に手をかけると案外楽に剥がれた。1枚1枚丁寧に剥がしていく。全部剥がし終え蓋を開けると
「...指輪?」
箱の中心に台座があってそこに指輪がハマっていた。小さな赤い石がハマってるだけのシンプルなデザインだ。よく見るために指輪に手をかけた。
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