メゾンTH By白機
「...!?」
触った途端石が光始めた。思わず目を細める。光は数秒でおさまった。目を開く。
「...は?」
先程まで何もなかった所に青年が立っていた。人が入ってきた気配無かったんだけどいつの間に。
「ふわぁよく寝た」
青年は大きく伸びをして欠伸をする。そして僕を見る。
「貴方が新しい主様か」
「...主様?」
「違う?指輪ハマってるけど」
指輪?箱にあるままじゃ...そう思いながら自分の右手を見る。
「へ...?」
指輪がまるで最初からあったかのように人差し指にハマっていた。外そうとするが外れない。
「生憎契約成立だと俺か主様が死なないと外れないようになってる」
「待って今契約成立って言った?僕覚え0なんだけど」
「指輪に触ったら自動的に契約成立」
もうちょっと段階踏めよ!
「まずあの御札自体剥がれないようになってるんだけど」
「凄い簡単に剥がれた」
「そうか...」
「まず貴方何者?指輪の精?」
「違う。俺は指輪に封印されてただけだ。名前は龍」
わぁ凄い安直なネーミング。
「今失礼なこと考えたよな...まぁいい。そして竜王の子孫だ」
「...は?」
竜王の子孫って言った?この人。
「とりあえず店出よう。爺さん起きる」
爺さん、貴方の目の前でとんでもないことが起きてるよ。僕は店を後にした。
ーとりあえず近くの喫茶に入る。そして席に着くや否や口を開く。
「で、どうゆうこと?子孫って」
「その前に名前を教えてくれないかな主様」
「その呼び方やめて。白機だよ」
「白機ね...改めまして初めまして竜王の子孫龍と申します」
「初めまして。もう一度聞くけど子孫?」
「そうだよ。といっても文献は全て無くなったし。血族も残ってんのは俺だけ」
「なんで封印されてたの」
「知らんよ。気付いたら何もない空間にいてそこでかれこれ200年は過ごした」
「200⁉︎」
「竜王の血族は竜人族と違ってかなり長生きなんだよ。それにある一定の場所で成長が止まる。俺の場合この見た目で固定」
中身はお爺ちゃんと。
「また失礼なこと考えただろ主...とりあえず契約解除は不可能だからよろしく。まぁ手伝いなら出来るよ。主、職業は?」
「誰が言うか。僕は秘密主義なんだよ」
「まぁ仕事内容とか見れば分かるか。俺は基本その指輪の中にいるから必要な時に呼んで」
「りょーかい」
すると龍の身体が淡く光り次の瞬間消えた。指輪の石の中に戻ったのだろう。
「契約ね...」
めんどいことになったな。
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