人生を終うということ

さき
2024/3/4
2024/3/4

看護師になって18年目です。

初めの5年間は救急病棟でした。そこで人生で初めて人の最期に立ち会いました。

人というのはモニターのアラーム音とともに人生を終うものなのだと学びました。

 

今、訪問看護師になって9年。

人の死の瞬間とは、こんなにも穏やかで静かで時には皆の笑顔の中で迎えるものだと知りました。

人の身体は最期の時が近づくと、一つ一つ旅立ちに向けた準備をしていくようにできているのです。それはまるで生まれるときに、教えてもないのに赤ちゃんが姿勢を変えながら産道を通り抜けて出てくるかのように。

その流れを妨げたり、流れに逆らうことなく、見守ること。

これが穏やかな旅立ちを叶えるために私たちができる唯一のことだと感じています。

 

本人が亡くなるその瞬間にも台所では家族が夕食の準備をし、孫たちはリビングで宿題。本人の傍らには長年連れ添った伴侶が新聞を読んでいる。

住み慣れた自宅で人生を終うというのは、最期の最後の瞬間まで生活の中で生き、家族の一人として生ききることなのだと、今まで出会ったたくさんの人生の先輩方が教えてくれました。

「人のもつ力を信じ、引き出し、見守る。」

そんな看護師という立ち位置を、18年経った今、とても愛おしく、誇らしく感じています。


コメント

コメントはまだありません。