メゾンTH 第5話
俺がカフェのドアを開けると同時に
「いらっしゃいませー」
という声が聞こえる。周りには数人の人がいた。
「結構繁盛してんなー」
すると、店の服を着た少女がこっちに来る。その少女は首に十字架のペンダントみたいなものを付けていた。どっかの教会の修道女かなんかか?…ってか修道女って働いたりしていいんだっけ?
「もしかして…エアナス…さん?」
そんなことを考えていたら、少女が話しかけて来る。
「そうだけど…どちら様?」
「やっぱり!私ですよ私、シスターです!」
あ、やっぱり修道女なんだ。でもシスターなんて知り合いにいない…よな。
「ごめん、人違いじゃない?」
「え…?」
俺がそう言うと、シスターの顔が一気に青ざめる。
「エアナスさん…、冗談ですよね…。よくこのカフェに来てくれてたじゃないですか…!」
少女、もとい、シスターが必死に訴える。
「そういえばこのカフェ、何処かで見たような…?」
すると、再び頭に激痛が走る。
「ぐっ、また…!」
俺は頭を押さえる。
「ぐ…あ“あ”っっ‼︎」
あまりの痛さに呻き声をあげる。
「エアナス⁉︎」
「エアナスさん⁉︎」
二人が俺の側に来る。しばらくすると、前と同じように激痛は治った。
「はあ、はあ…」
俺は肩で息をする。
「エアナスさん、大丈夫ですか?」
シスターが尋ねる。
「あ、ああ。だけど悪いな。お前のことは思い出せない」
「そうですか…。ところで今日はどうしてここに?」
「あ、そうだ、なんか軽く食べようと思って」
「分かりました。じゃあ何か作ってきますね。…ところで、貴女は?」
シスターが鈴に気づく。
「え、見えんの?」
だってあいつ守護『霊』だろ?シスターって霊感強い方?
「ああー、どうやら私、こっちに来てからみんなに見えるようになったみたいなの。私は狛江鈴、エアナスの守護霊です」
俺の疑問に答えながら、シスターに挨拶する。
「クソサディストロリコンは成ば…って、そっか、きっと『それ』も忘れてるんですよね」
シスターが少し残念そうな顔をする。シスターはさっき何しようとしたんだ?
「ま、いつか思い出すか。シスター、メニューかなんかってある?」
「はい、どうぞ」
シスターが俺にメニューを手渡した。
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