【アルカディア】自治体の防災・防犯メール配信「SpeeCAN RAIDEN」に不正アクセス、メールアドレス最大約313万6,000件が漏えいの可能性、119番関連の「NET119」なども対象に

Security Note
2026/10/14
2026/10/22

公表:2026年10月13日(10月14日に追記)/続報:10月14日(NET119・119RAIDENも漏えいの可能性)、10月15日(停止中のサーバーの復旧予定を案内)、10月15日17時50分(第9報:停止していたサーバーの復旧完了)、10月16日(第10報・第11報:NET119の対象を9,020件と公表)、10月19日(第12報:経過と原因を説明する資料を公開)、10月20日・21日(第13報・第14報:個人情報保護委員会・総務省への報告代行の案内を送信)、10月21日・22日(第15〜19報:不正に配信されたフィッシングメールは1,423,428通と報告、SNS連携の再設定や一部機能の制限を案内)

3行でわかるポイント

  1. 全国の自治体などが防災・防犯情報の配信に使う「SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン・ライデン)」に不正アクセスがあり、登録者の連絡先が漏れた可能性があります。
  2. 漏えいの可能性がある最大件数は、メールアドレス約313万6,000件、電話番号約10万5,000件、FAX番号約1万5,000件(いずれも推定)です。
  3. 横須賀市など登録者のもとには、すでに不審なメールが届いています。自治体や配信会社を名乗るメールのURLは開かないでください。

何が起きたか

株式会社アルカディアは、2026年10月11日16時30分にSpeeCAN RAIDENで不正アクセスが疑われる動きを見つけ、12日3時ごろに侵入経路をふさぐ応急措置をとりました。13日の調査で外部からの侵入経路が分かったため、同日11時から一部のサービス(SpeeCAN RAIDENとライデン・スクールの一部環境)を緊急停止しています。10月15日の更新で、停止していたサーバーを同日15時ごろに復旧する予定と案内しました(その後の更新は公式ページをご確認ください)。

このサービスは、市区町村などが住民向けの防災メールや防犯メールを送るために使われています。利用している自治体の側でも、登録者から「不審なメールが届いた」という問い合わせが相次ぎ、配信の停止や公表が続いています。例えば横須賀市は、防災情報メールの登録者47,065人分と防犯あんしんメールの登録者10,848人分のメールアドレスなどが漏れたおそれがあるとして、4つの配信サービスを止めました。

漏れた可能性のある情報

件数(最大の推定)

メールアドレス約313万6,000件、電話番号約10万5,000件、FAX番号約1万5,000件(調査中の推定値で、人数の合計ではありません)

情報の種類

連絡先の名前、メールアドレス、電話・FAX番号、履歴として保存された配信本文の内容

含まれない情報

クレジットカードなどの決済情報(このサービスでは扱っていない)

対象サービス

raiden.ktaiwork.jp、raiden2.ktaiwork.jp、raiden3.ktaiwork.jp、raiden2.speecan.jp、s.ktaiwork.jp、s2.ktaiwork.jp

自分がどの自治体のどのメールに登録しているかで、対象かどうかが変わります。お住まいの自治体の公式サイトのお知らせを確認してください。

影響/原因

原因は「第三者による不正アクセス」とだけ説明されており、侵入の手口は公表されていません。アルカディアは、不正なアクセス元のIPアドレスを特定してアクセスを拒否する設定にしたほか、停止していないサービスについてはサーバーを点検し、不正なプログラムが置かれていないことを確認したとしています。

防災メールが止まっている自治体では、公式サイトやSNS、防災行政無線などで情報を出しています。災害時の情報の受け取り方にも影響が出ています。

【続報 10月14日・15日】119番関連の「NET119」「119RAIDEN」でも漏えいの可能性、停止中のサーバーは15日に復旧予定

アルカディアは10月14日15時の更新で、詳しく調べた結果、119番に関係するサービス「NET119」と「119RAIDEN」にも第三者が不正にアクセスした形跡があり、個人情報が漏れた可能性があると公表しました(同日17時12分の更新で、NET119の映像通報は今のところ漏えいの可能性はないとしています)。

  1. NET119:利用者の名前・生年月日・性別・住所・電話番号・メールアドレス・FAX番号など。最大約1万3,000件。
  2. 119RAIDEN:連絡先の名前・メールアドレス・電話番号・FAX番号、担当者や契約の情報、履歴に残る本文の内容。最大でメールアドレス約9万7,000件、電話番号約1万7,000件、FAX番号約400件。

会社は、全サービスを対象に不正なプログラムが仕掛けられていないかの調査を広げています。10月15日には、個人情報保護委員会に報告し、警察や総務省・経済産業省の地方局などにも相談・通報したと説明しました。問い合わせの電話がつながりにくいため、メール(info@arcadia.co.jp)での連絡も受け付けています。また、緊急停止していたSpeeCAN RAIDENとライデン・スクールのサーバーは、15日15時ごろに復旧する予定と案内し、利用する団体にはログインパスワードの変更を呼びかけています。

利用している自治体ごとの公表も続いていますが、件数や対象サービスは自治体によって異なるため、この記事では個別には載せていません。お住まいの自治体の案内をご確認ください。

【続報 10月15日17時50分(第9報)】停止していたサーバーが復旧、漏えいの範囲は引き続き調査中

アルカディアは10月15日17時50分の更新(第9報)で、緊急停止していたSpeeCAN RAIDEN(raiden3.ktaiwork.jp)とライデン・スクール(s2.ktaiwork.jp)のサーバーが、同日15時ごろに復旧したと公表しました。侵入経路はふさいだうえ、システム内に不正なプログラムがないことも確認したとしています。

一方で、これらのサーバーも含めた情報漏えいの範囲は引き続き調査中です。会社は、すべての利用団体に対し、ログインパスワードを変更してから利用するよう求めています。

【続報 10月16日・19日(第10〜12報)】NET119は9,020件、侵入の経路と経過を資料で説明

アルカディアは10月16日の第11報で、119番関連の「NET119」と「119RAIDEN」で個人情報が漏えいした可能性があるとして、件数を示しました。

  1. NET119(net119.speecan.jp・net119fd.speecan.jp):9,020件のメールアドレスに結びつく、利用者の名前、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、FAX番号、他のサービス登録時に入力した情報。要配慮個人情報は漏えいしていないことを確認したとしています。映像通報は現時点で漏えいの可能性はないとしています。
  2. 119RAIDEN(fs119.ktaiwork.jp のみ):連絡先の名前・メールアドレス・電話番号・FAX番号、担当者、契約情報。メールアドレス約9万7,000件、電話番号約1万7,000件、FAX番号約400件。

同日の第10報では、本来は各契約者(自治体など)が行う個人情報保護委員会への報告を、委員会と相談のうえで同社が代わりに行う準備を進めていると案内しました。

10月19日の第12報では、経過と今後の方針をまとめた資料を公開しました。資料によると、添付ファイルを公開するサーバーの弱点(内部のファイルにアクセスできてしまう脆弱性)から設定ファイルが取られ、そこにあったサービス間ログイン用の秘密の鍵が悪用されました。不正なプログラムによって外部に送られたメールは1,423,428通で、多くはクレジットカード会社を装った詐欺メールとみられるとしています(漏えい件数ではありません)。10月15日15時10分にすべてのサービスの復旧が完了しました。NET119以外のサービスの漏えい件数はまだ確定しておらず、第三者機関に詳しい調査を依頼中で、調査には時間がかかる見通しです。警察には被害届を出す予定としています。

【続報 10月20日・21日(第13報・第14報)】関係機関への報告代行の案内を送信

アルカディアは10月20日14時00分(第13報)と10月21日9時05分(第14報)に公式ページを更新しました。第13報では、第10報で知らせていた個人情報保護委員会への報告代行について、案内のメールを送ったとしています。第14報では、総務省への報告代行について、SpeeCAN RAIDEN・NET119・119RAIDEN を販売する代理店あてに10月20日16時47分に案内メールを送ったとしています。漏えいの範囲や件数についての新しい発表はありません。

【続報 10月21日・22日(第15〜19報)】不正に配信されたフィッシングメールは142万通超

アルカディアは10月21日17時20分の第17報で、10月13日1時17分から7時16分までの間に、不正なプログラムによって同社システムから外部へ不正なメールが配信されたことの調査経過を報告しました。内容は実在する企業などを装うフィッシング詐欺で、配信総数は1,423,428通です。このうち少なくとも869,575通は、同社が保有するメールアドレスあての配信ではないことが分かったとしています。今後、外部機関でダークウェブ調査を行い、結果を後日報告するとしています。

このほか、LINE・X・Facebookとの連携を使う契約者に連携設定のやり直しを依頼し(第15報)、調査と検証のための一部機能の制限とその解除(第16報・第18報)、外部システムからのAPI連携機能の停止(10月22日10時40分の第19報)を案内しています。

利用者が今すべきこと

  1. 自治体名や「防災メール」「登録制メール」を名乗るメールやSMSで、氏名・住所・パスワード・口座情報などを求められても入力しないでください。
  2. 身に覚えのない送信元のURLや添付ファイルは開かず、削除しましょう。
  3. 防災メールが止まっている間は、自治体の公式サイト・公式SNS・防災アプリなど、別の手段でも情報を受け取れるようにしておきましょう。
  4. お住まいの自治体が対象かどうかは、自治体の公式サイトで確認できます。

私たちが学べること

1つの配信会社に多くの自治体がまとめて頼っていると、そこが攻撃されたときの影響が全国に広がります。私たち利用者も、防災情報の受け取り先を1つに絞らず、複数持っておくと安心です。

経過

10月11日 16時30分

不正アクセスが疑われる動きを確認

10月12日 3時ごろ

侵入経路をふさぐ応急措置、影響範囲の調査開始

10月13日 11時

SpeeCAN RAIDEN・ライデン・スクールの一部環境を緊急停止

10月13日 18時47分

漏えいの可能性がある最大件数を公表

10月14日

利用者向けの注意喚起文を追記

10月14日 15時

NET119・119RAIDENも漏えいの可能性があると公表(17時12分に映像通報は対象外と追記)

10月15日

外部機関への報告状況を公表。停止中のサーバーを15時ごろ復旧する予定と案内

10月15日 17時50分

第9報:停止していたサーバーが15時ごろに復旧したと公表(漏えいの範囲は調査中)

10月16日

第10報(個人情報保護委員会への報告の代行を準備)、第11報(NET119は9,020件、119RAIDENはメールアドレス約9万7,000件など)

10月19日

第12報。経過・原因・今後の方針をまとめた資料を公開

10月20日・21日

第13報・第14報。個人情報保護委員会・総務省への報告代行の案内メールを送信

10月21日・22日

第15〜19報。10月13日に不正配信されたフィッシングメールは1,423,428通(うち少なくとも869,575通は同社保有外のアドレスあて)と報告。SNS連携の再設定、一部機能の制限・解除、API連携機能の停止を案内

出典

  1. アルカディア「SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスによる個人情報漏洩の可能性について」(2026年10月13日、14日更新)
  2. アルカディア「不正アクセスに伴う一部サービスの緊急停止について」(2026年10月13日)
  3. 横須賀市「横須賀市防災情報メール及び防犯あんしんメール配信サービス等における不正アクセスに伴う個人情報の漏えいのおそれについて」(2026年10月13日)
  4. セキュリティ対策Lab(10月13日)
  5. アルカディア「SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスに伴う一連の対応について」(2026年10月15日17時50分更新・第9報)
  6. アルカディア「SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスに伴う一連の対応について」(第10〜12報、2026年10月16日・19日更新)
  7. アルカディア 第12報の説明資料(2026年10月19日)
  8. アルカディア「弊社サービスへの不正アクセスに伴う一連の対応について」(第13報 10月20日、第14報 10月21日)

※この記事は公開情報をもとにAIが要約しています。誤りや続報があれば、下の「コメント」またはサイト下部の「問合せ」からお知らせください。


コメント

【注目ポイント】

Security Noteさん
2026-10-16 14:29:23

メールアドレスだけなら被害は小さい、と思われがちです。ただこの件は「防災メールに登録しているアドレス」だという点が違います。登録先の自治体が分かるので、攻撃者は地域まで絞り込んだ偽メールを作れます。大雨や地震の直後に「○○市危機管理課:避難所の受付は下記から」「被災者支援金の申請はこちら」と届いたら、普段は慎重な人でも開いてしまうのではないでしょうか。災害時の焦りにつけ込まれる点が、平時の詐欺メールとの大きな違いです。
一方で、件数の大半はメールアドレスで、氏名や住所までそろって漏れたわけではない点は、少し救いです。
全国の多くの自治体が同じ1社に配信を任せていたことで、1か所の侵入が全国に広がりました。自治体側が委託先の安全性をどこまで確かめられていたのかは、今後の課題になりそうです。