メゾンTH 第4話
「ちゃんと遊ぶからさ、まずはボクの話を聞いてよ」「…何?」これで生き残る為の第一関門突破。「まず一つ。名前は?」眼前の少女は不思議そうに首を傾げる。「名前…?あっ、フランドール。私の名前はフランドール。生まれてからずっとこの館に閉じ込められた吸血鬼。…あなたは?」やはりか…と言う事はここはもしかして?「ああ…ボクの名前は海璃。一応神…って事になってる。それと…君と同じ吸血鬼さ」少女の目が大きく開く。「吸血鬼…?嘘よ、私とお姉様以外吸血鬼はいないの。あなたも嘘をついて私を殺そうとするの?」…あなた「も」?って事は何度も殺されかけてるんだな。その度にあの能力で相手を返り討ちにしたって訳か。「まさか。さっき殺されかけたボクがあなたを殺せるわけ無いでしょう?出来る事なら貴方の『友達』になりたいんですよ。普通に楽しく生きるような友達に」「嘘…嘘よ…今まで皆そう言って私を殺そうとした。貴方も、どうせ…!」これは…相当人に騙されてきたんだな。根が素直なだけに裏切られた時の絶望は大きかった筈だ。だからこそ、自分が真っ当な道に戻さねばならない。「それじゃあ…1週間、ボクと外で遊びませんか?」
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